大町市議会 > 2018-12-05 >
12月05日-02号

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  1. 大町市議会 2018-12-05
    12月05日-02号


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    平成30年 12月 定例会          平成30年 大町市議会12月定例会会議録(第2号)               平成30年12月5日(水)---------------------------------------          平成30年大町市議会12月定例会               議事日程(第2号)                    平成30年12月5日 午前10時 開議日程第1 市政に対する一般質問順位議席氏名113政友クラブ代表  二條孝夫212日本共産党代表  平林英市35個人質問     大和幸久44個人質問     栗林 学---------------------------------------              会議出席者名簿◯出席議員(16名)     1番  堀 堅一君        2番  降旗達也君     3番  佐藤浩樹君        4番  栗林 学君     5番  大和幸久君        6番  神社正幸君     7番  太田昭司君        8番  岡 秀子君     9番  勝野富男君       10番  高橋 正君    11番  松島吉子君       12番  平林英市君    13番  二條孝夫君       14番  小林治男君    15番  大厩富義君       16番  中牧盛登君◯欠席議員(なし)◯説明のために出席した者 市長         牛越 徹君    副市長        吉澤義雄君 教育長        荒井今朝一君   総務部長       市河千春君 総務部参事      和田泰典君    民生部長福祉事務所長 塚田 茂君 産業観光部長     竹村静哉君    産業観光部参事    小林敏文君 建設水道部長     川上 武君    会計管理者      西澤美千夫君 教育次長       竹内紀雄君    病院事業管理者(兼)病院長                                井上善博君 病院事務長      勝野健一君    庶務課長選挙管理委員会書記長                                藤澤浩紀君◯事務局職員出席者 事務局長       勝野礼二君    事務局次長      久保田 肇君 書記         西澤秀一君    書記         窪田幸弘君---------------------------------------                本日の会議に付した事件              議事日程(第2号)記載のとおり---------------------------------------             平成30年 大町市議会12月定例会           市政に対する一般質問通告並びに質問要旨、順位順位議席番号 氏名 [質問形式]質問項目及び要旨ページ113番 政友クラブ代表 二條孝夫1.財政運営と行政改革について  (1) 平成29年度決算から見える今後の財政運営は。  (2) 来年度予算編成の重点施策は。  (3) 多様な市民ニーズの中で行政改革、事務事業評価をどう進めていくか。 2.大町総合病院の再建について  (1) 再建のための収支計画(推計)の実効性は。  (2) 個別外部監査をどのように再建に活かすのか。 3.教育行政について  (1) 不登校といじめをなくすためのオール大町での取組みは。  (2) 教職員の働き方改革の状況は。実際改善しているのか。 4.ブランド戦略について  (1) 水を中心としたブランド戦略の具体性は何か。  (2) 「大町水の日」の制定をするべきではないか。 5.農業振興と農業製品による6次産業化について  (1) 新たに始まった農業委員制度における市との連携は。  (2) 農産物の6次産業化を農業振興に活かすには。
    6.北アルプス国際芸術祭について  (1) 北アルプス国際芸術祭を一過性のイベントにしないためには。  (2) 北アルプス国際芸術祭信濃大町アーティスト・イン・レジデンスの相乗効果を上げるには。39 ~ 64212番 日本共産党代表 平林英市1.消費税率10%への増税について  (1) 地域経済に与える影響はどうなるか。  (2) 貧富の格差を広げる不公平税制ではないか。 2.大町総合病院の経営改善策について  (1) 医業収益を上げる改善にどのように取り組むか。  (2) 機構改革を進める方向性はあるのか。 3.(仮称)地下水採取規制条例について  (1) 県内15市において何らかの規制があるが、市も検討すべきではないか。 4.工場等誘致振興条例について  (1) 正規社員を対象にした助成に変更すべきだと思うが、市の考えはどうか。 5.住宅性能向上リフォーム事業について  (1) 予算規模を増やして事業拡大を図る考えはあるのか。64 ~ 8135番 大和幸久 [一問一答]1.大町総合病院について  (1) 経営危機への対応策の課題は。 2.北アルプス国際芸術祭2020について  (1) 実施にあたっての課題は。 3.保育無償化について  (1) 2019年度予算の対応は。81 ~ 10044番 栗林 学 [一問一答]1.自然環境について  (1) 地域資源の保全に力を入れられないか。  (2) 水をテーマにSDGsへの活用はできないか。 2.住宅の耐震診断・耐震改修補助金について  (1) より市民に活用されるために代理受領制度を導入できないか。100 ~ 109 △開議 午前10時00分 ○議長(勝野富男君) おはようございます。ただいまから12月定例会の本日の会議を開きます。 本日の出席議員数は16名、全員であります。よって定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 理事者、部課長等の欠席、遅参等については、総務部長の報告を求めます。総務部長。 ◎総務部長(市河千春君) 報告いたします。市長、副市長、教育長、病院事業管理者及び所定の部課長は出席をしております。 以上でございます。 △日程第1 市政に対する一般質問 ○議長(勝野富男君) 日程第1 市政に対する一般質問を行います。 質問通告者は12名であります。よって、本日は議事日程記載のとおり4名とし、あす6日に5名、あさって7日に3名の予定で質問を行いますので、御了承いただきたいと思います。 これより質問に入ります。 質問順位第1位、政友クラブを代表する二條孝夫議員の質問を許します。二條孝夫議員。     〔13番(二條孝夫君)登壇〕 ◆13番(二條孝夫君) おはようございます。政友クラブの二條孝夫です。 政友クラブを代表して、6項目について質問をします。 それでは最初に、財政運営と行政改革について質問します。 最初に、平成29年度決算から見える今後の財政運営は。 平成29年度決算では、久しぶりに国の景気回復の恩恵が地方にも浸透してきたのか、市税が1億700万円余増額、前年対比2.69%増、ふるさと寄附金を含めた寄附金が7億5,500万円余で、前年度を大きく上回っています。歳入総額194億7,475万円と、過去最高となりました。また、歳出も、北アルプス国際芸術祭ごみ処理広域化推進事業あすなろ保育園改築事業、第二屋内運動場など大型公共施設の整備が、これも過去最高の189億5,462万円となり、黒字も4億5,000万円となりました。市長の行政手腕が発揮されたと感じています。 しかし、そんな中で、地方交付税が4億3,000万円余の減少、市債残高も広域ごみ処理施設建設に伴う市債増もありますが、市債総額が152億5,400万円と、一転ふえてきました。平成29年度決算は、まさしく今後の財政運営に対してよかったことや心配なことが全てを含んだ決算であり、今後に向けてのターニングポイントであると思います。市長は、過去最大規模の歳入歳出となった平成29年度決算について、どのように総括されるかを質問します。 さて、平成29年度の決算内容ですが、財政の健全化を示す財政健全化判断比率の4つの指標については、地方公共団体の主要な会計である一般会計に生じている赤字の大きさを示す実質赤字比率では4億5,000万円の黒字を計上、また、連結実質赤字比率も大町病院の赤字等を他会計でカバーしているので、一般会計、公営企業会計を合わせて7億円弱の黒字を計上、そのため赤字額がなく数値が出ない状況です。しかし、心配なのは、幾ら黒字だからといっても、昨年の黒字幅より今年度は大幅に少なくなっており、市全体の会計を合わせた連結実質黒字額は昨年より10億4,500万円も少ない7億円弱となっています。大幅な黒字額減少の原因について質問します。また、今後、この黒字額がどのように推移していくかをお伺いします。 次に、一般会計、公営企業会計全体の公債費、借金ということになりますが、これを指標化した実質公債費比率では7.2ポイントと大幅に改善しています。昨年は7.4ポイント、一昨年は7.7ポイントです。昨年まで市債総額が年々減少してきています。過去このように財政が改善してきていることについて、その原因とそれに対する市長の見解について伺います。 しかし、今後、地方交付税の減少や市債の一時的な増額により、財政シミュレーションを見ますと、今まで顕著に減じていた実質公債費比率も2020年度から一転7ポイント、次の年に8.3ポイント、徐々に増加し2024年には9.6ポイントまで悪化してきます。また同時に、財政健全化比率の重要な指標であります市の借入金や現在抱えている負債の大きさを財政規模に対する割合で示した将来負担比率も56.7ポイント、実はこの数字は財政上はすばらしい改善された数字でありますけれども、徐々に少なくなってきましたが、2025年には75.2ポイントまで上昇悪化していきます。先ほど述べたように、実質赤字比率は出ないまでも、肝心の黒字幅が少なくなっていく、また、今まで顕著に推移してきた実質公債費比率も、将来負担比率など悪化していく傾向があります。市長は、このことについてどのようにお考えかお聞きします。 また、皆さん御存じのとおり、合併特例による優遇措置が地方交付税の減少としてなくなります。大町市においても、平成18年に合併し1市2村の個別でいただいた交付税全体が、いよいよ10年たった平成28年から5年間の猶予をもって徐々に減らされていきます。あと3年で一本算定による普通交付税に変わります。現に平成28年に推計された向こう10年間の財政シミュレーションを見れば、平成29年度の交付税は徐々に減らされて、推計値62億2,800万円でした。しかし、実際は59億40万円、推計値よりさらに少ない交付金であります。当然市税や寄附金の増額などの影響で地方交付税は低くなるものですが、前年よりも4億3,000万円少なくなっています。今後のシミュレーションによれば、2020年までは減り続けていきます。最も大事な自主財源の市税も著しく景気の動向を受け、さらには来年10月には消費税率が上がります。交付税の減少、景気動向による市税の収入不安定化、来年10月の消費税率アップ等、外的要因によって財政への影響が心配されますが、消費税の動向を含めて大町市への財政への影響についてお聞きします。 また、著しい少子高齢化と人口減少は、大町市の自主財源確保に大きく影響をします。長期財政推計を見ますれば、大町市の生産年齢人口の推計では、平成22年には1万6,946人、5年後の平成27年には2,138人減少して1万4,808人、さらに5年後の2020年には1万3,592人と減少し続けていきます。企業の活力も損なわれ、稼ぎ出す人口も減るわけでありますから、市民税の所得割と均等割合わせて平成29年には10億9,200万円、10年後には9億3,800万円に減少、固定資産税も評価額の下落により減少、軽自動車税も自動車保有台数の減少で減少していきます。人口減少や少子高齢化が大町市の財源にどのような影響があるのか、そして、新たな自主財源はないものかをお聞きします。 次に、来年度の予算編成の重点施策について質問をします。 私が今まで述べたように、外的要因や少子高齢化による著しい人口減少による自主財源確保の難しさによって歳入の減少が見込まれる中、いよいよ来年度予算編成の時期となりました。内閣府によると国において、本年6月15日に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針2018では、少子高齢化の克服による持続的な成長経路実現(骨太方針)が示されました。今、盛んに言われている働き方改革の推進、労働力不足を補う外国人の受け入れ、人づくり革命の実現拡大、IT等を活用した生産性革命の実現と拡大、経済・財政一体改革の推進等であります。こういった国の方針について、市長はどのように考えておられるのかお聞きします。 また、来年度の予算編成をするに当たっての参考になるかどうかお聞かせください。来年は、北アルプス国際芸術祭東京オリンピック1年前、そして4月には全国都市緑化フェアがある重要な1年であります。来年度の予算の重点項目、特に市長が力を入れたいところはどこなのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。 次に、多様な市民ニーズの中で、行政改革、事務事業評価をどう進めていくかについてお聞きします。 財政での歳入見込みが先細る中、歳出において創意と工夫が求められます。市ではこれまで行政改革集中プランに基づき、事務事業の内部評価、外部評価による行政評価、公共施設の指定管理者制度の導入、公共施設総合管理計画による公共施設の適正管理等々、さまざまなプランを検討してきたところです。また一方では、新たな行政ニーズ等の対応で地方自治の役割が拡大し、当然それに伴う人手が必要となってきます。総務省では、地方自治の行政改革は、厳しい財政状況の中でも安心かつ上質な公共サービスが確実、効率的に実施されるよう、地域の実情に応じて自主的に取り組まれるものとしています。質のよい市民への行政サービスとそれに相反する合理的な行政運営が求められています。行政改革集中プランの中で、合併以来その行政改革をどのようにしてきたのかを質問します。 まず、課の統合や再編であります。今後、課の統合はあるのか、また、新たな市民ニーズに応えるべく充実させる課があるのかをお聞かせください。また、職員の適正配置の中で、合併後10年間での適正化が進んでいるのかをお聞かせください。 さらに、昨年、市では、第5次総合計画前期基本計画の進捗管理を図るため、統一的な視点と手段によって点検評価する事務事業評価を行っています。評価した事業は180事業、拡大7、継続152、縮小ゼロ、やり方改善6、中止ゼロ、事業完了15となっています。今後、外部評価に出すということですが、その中でやり方改善6事業があるわけですが、どんな方法で改善を図っていくのか。この内部評価を見たとき、縮小、中止がそれぞれゼロですが、事業の選択と集中がしっかりできているのか。また、議会から上げている事務事業評価については、どのように処理されているのか説明してください。やはりPDCAサイクルをしっかり回す必要があると思います。 市長において、行政の効率化と財政出動の縮減、相反する多様な市民ニーズのありようとの間で、厳しい選択が迫られています。市長は就任以来、これまでの行政改革の取り組みの成果をどのように総括し、今後、行政改革、事業の選択と集中をどのように進め、安全かつ上質な公共サービスを担保していくかをお聞かせください。 次に、大町病院について質問をいたします。 9月決算議会において、決算審査特別委員会では大町病院平成29年度決算不認定、本会議において僅差にて認定されました。賛成反対の討論を聞く中で、各議員が厳しい判断をしたと感じました。地方公共団体の財政健全化に関する法律に定める公営企業の経営健全化の基準としている資金不足比率が、基準値の20%を超え22%となり、財政健全化法で定める経営健全化計画の策定が義務づけられた経営健全化団体となりました。この団体とは、大町病院を含む自治体としての大町市であります。この問題が、病院だけではないことを物語っています。 去る11月9日、大町病院において地域懇談会が開かれました。大町病院の現状を市民の皆さんにわかっていただき危機感を共有するものです。席上、事業管理者が、大町病院の今の状況を詳しく説明されておりました。私は、市民からの意見を聞くとき、この会が紛糾してはいけないと思っていましたが、ところが、大町病院がなくなれば困る、何とか頑張ってほしいと多くの市民の意見が上がりました。時には厳しい意見もありましたが、市民の大町病院再生への熱い思いが伝わってくるものでした。この言葉が、今頑張っている事業管理者に、そして頑張っている先生方、病院スタッフへの間違いなく励ましになると思いました。 そしてさらに、大町病院に勤務されている先生方の頑張りです。一つの例で挙げますと、大北地区で発生した救急隊出動での患者の受け入れ先では、昨年、大町病院が1,449件となり、隣のあづみ病院では1,163件でありました。一昨年の平成28年では、大町病院では1,388件、あづみ病院では922件であります。ちなみに、医師の数ではあづみ病院の半数の医師で大町病院は救急患者を受けて入れています。大町病院の先生方のハードさがわかると思いますが、私が言いたいのは、ふだんからこれでもかと頑張っている先生方の、みずから身を削ってでも大町病院を守らなければならないと言ってくれていることです。私は、このことを聞いたとき目頭が熱くなりました。大町病院を変える、再生させることのできるのは今です。この大事な瞬間を逃してはいけません。 そこで、質問をします。再建のための収支計画(推計)の実効性について質問いたします。 大町病院新改革プランによれば、平成32年に黒字化を目指すとしています。非常にハードルが高いと思いますが、そのためには年間3億5,000万円の収益増加とコスト削減をしなければいけないと病院の説明がありました。このうち1億9,000万円は収益増加で、残りの1億6,000万円をコスト削減で取り組むとしました。しかし、病院が説明した収支計画を見ますと、平成29年から今年度末までに経費を1億4,300万円の削減、同時期に1億8,300万円の収益拡大を図るとしています。来年の3月までの4カ月で、これだけの改善ができるのかまず伺います。 さらに、今年度から翌年度にかけて3億5,800万円医療の増収を図り、1億800万円の経費を削減していくとしています。医療増収を見込んだこの収支計画は、今までの改革プランと何ら変わらないと私は思います。確かに病床数の減少などで医療増収を見込んだと思いますが、医療収益は季節変動など外的要因に左右されがちです。本当に収支計画どおり実行できるのかお聞かせください。 また、給与費の部分でありますが、今年度は8,900万円、さらに来年度に向けて9,900万円の削減としています。本当にこの金額でいいのかお聞かせください。この収支計画をもとに経営健全化計画の今後の留意する点は何かをお聞かせください。 次に、個別外部監査をどのように再建に生かしていくかを質問します。 今回、個別外部監査が入りました。指摘された経営分析のポイントは何かお聞かせください。そのポイントを再建のためにどのように進めていくかをお聞かせください。 今後の経営形態ですが、大町市議会病院対策委員会の中での兵庫県立大学特命教授小山秀夫先生が、明確に地方独立行政法人を目指すべきとおっしゃっていました。まさに、大町病院の骨組みそのものを変える提言であります。しかし、累積欠損金の解消が必要でありますし、職員身分が非公務員となります。非常に難しいと思いますが、病院としてどのような経営形態がいいのかをお答えください。 次に、教育行政について質問します。 不登校といじめをなくすためのオール大町での取り組みは。 先般の新聞報道を見ますと、昨年文部科学省による「問題行動・不登校調査」の結果の記事が載っていました。小中学校が認知したいじめの件数は過去最大の41万件にも上り、不登校も14万件と過去最高となりました。文科省の働きかけで、「けんかやふざけ合いでも、いじめの有無を確認する」ということで認知件数が急にふえました。しかし、この数はまさに子どもたちが非常に病んでいる実態を浮き彫りにするもので、深刻な社会問題となっています。いじめを苦に自殺者まで出すという実態はまさに悲劇であります。長野県でも、昨年5,329件ものいじめが起き過去最高となりました。いじめから不登校につながるケースが多く見られることから、大町市にも、いじめを受け不登校になっている児童生徒が相当数いると推察されます。 そこで、質問ですが、大町市のいじめの実態と不登校の状況、また、その原因についてどのような状況になっているのでしょうか。 不登校やいじめは、学校、担任の先生と保護者の連絡を密にしなければなりませんが、一方、学校生活では子どもたちにとって一番近い存在の担任の先生の負担が大きくなってしまい、先生までが病んでしまう実態が多く報告されています。学校において一人の先生や校長、教頭に任を負わせるだけでなく、市は全体の中の取り組みとして、いじめ・不登校を解決する仕組みづくりをしていかなければなりません。市では、「心豊かにたくましく生きる子どもの育成」を挙げ、具体的な施策の中に「不登校等の悩みを抱える子どもへの支援」として、児童生徒のさまざまな悩みや課題の早期発見・早期対応に向けたスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置と関係機関の連携強化、登校支援指導員や心の相談室の配置による就学支援に向けた取り組みの推進、中間教室「アルプスの家」への適応指導員の配置による支援体制の充実強化など、積極的にいじめ・不登校対策を行っていますが、その実情と効果についてお聞かせください。 県では、全国に先駆けて昨年からLINEの運営会社と、子どものいじめ・自殺対策に関する協定を結び、子どもからの書き込みに応じることを始めました。電話相談よりはるかに多い、2週間で547件の書き込みがあったとのことで、かなりの効果が上がっていると聞きました。また、隣の松川村では、全戸に「ひきこもり、不登校の悩みをお話しに来ませんか。家族相談会のお知らせ」と題しての回覧が回っていました。村全体で、いじめ・不登校をなくすという姿勢が印象的でした。そこで、学校を支える地域の人たちが集まるコミュニティスクールが、いじめ・不登校への解決に大きな役割を果たせると思いますが、どうでしょうか。オール大町でいじめ・不登校をなくす対策はとれないものでしょうか。 次に、教職員の働き方改革の状況は、実際改善されているのかについて質問します。 大町市では、教職員が、誇り、やりがい、使命感をしっかり持つことができ、子どもと向き合う環境の整備を図ることを目的に、国の委託事業に基づき、他の自治体に先駆けて教職員の長時間勤務という働き方を改善するため、さまざまな取り組みを進めてきました。時間外の留守番電話連絡の対応、ICカードによる勤務時間の把握等があり、いよいよ来年からは給食費の公会計制度が始まります。学校でのPTA総会では、教育長みずから留守番電話連絡等の説明をし教職員の働き方改革のお話をしてくれるということで、大町市に転任してきた先生にとっては、教職員がしっかり大町市の教育委員会に守られていると感じているというお話を聞きました。しかし、まだまだ部活等で仕事量が減ってきているわけではありません。ますます大町市として、先駆的にこの働き方改革を進めていかなければならないと思います。 そこで、質問します。この取り組みによって明らかになった現状と課題は何か、また、それを解決するために具体的な取り組み、改善策は何か。国の委託事業が終了してもこの取り組みを継続していくのかをお聞きします。 次に、ブランド戦略についてお聞きします。 せんだっての9月定例会の場にて、飲料水メーカートップのサントリーが天然水を求めて大町市に製造工場の新設を発表しました。サントリーのプレス用原稿を抜粋するならば、「サントリー天然水は冷たくて清らかである。その清冽なおいしさがお客様の支持を受けている。清涼飲料水ナンバーワンブランドを目指してさらなる安定供給体制を構築するため、国内4つ目の水源を探してきた。60カ所を超える候補の中から、今回サントリー天然水ブランドにふさわしい新たな水源として、豊かな自然に囲まれた、良質な水に恵まれた長野県大町市への進出を決定した」としています。多くの市民は、サントリーが進出したことに対して驚きと喜びを持って受け入れると思います。現に私の周りには、都会に生活している子どもたちに対してサントリーに就職させたいという人もいますし、サントリーに就職できるなら大町に帰りたいという人もいます。まさに、市が進めてきた大町ブランド戦略の中での信濃大町水ブランド戦略が成功したと言ってもいいと思います。この奇跡に近いサントリーの進出は、大町市のブランド戦略に多くの弾みをつけるものと思います。 そこで、質問します。今後、具体的にどのようにして水を中心としたブランド戦略を行っていくのかをお聞きします。平成28年に作成した信濃大町ブランド戦略の中で、水ブランド戦略の基本戦略・具体的な施策展開を策定するに当たっては、信濃大町の水に関するSWOT分析によれば、具体的な施策展開を見つけ出すとしています。ちなみに、SWOT分析とは、企業や事業の戦略策定やマーケティング戦略を導き出すための手法です。その中で、信濃大町水ブランドの弱みについて記されています。市内には水の触れる場所がない、市街地付近に目に見える清流がない、水のよさの情報発信が弱い、信濃大町の水の知名度が弱い、名水百選に入っていない、他地域との水の違いがわからない、市民の水を知る機会が不足、水を生かした食が十分磨かれていないと挙げています。今既に信濃大町湧水など具体的な取り組みが始まっていますが、今挙げたこの弱みをどう克服していくのか、具体的な戦略について教えてください。また、議会でも議論になった駅前親水公園については、今後どう進めていくのかお聞きします。 大町市の水の恩恵を受けてきた歴史や、過去、水と親しんでのまちづくりがなされてきたわけでありますが、その部分の再現と人々の生活のありようをもっと強調していくことが足りないと思いますが、いかがでしょうか。 次に、「大町水の日」の制定をすべきではないかについて質問します。 先ほどの中で、市民の水を知る機会が不足しているという弱みを挙げました。私は、何度も言うようですが、やはり水で恩恵を受けている大町市として水に対する啓蒙を進めるためにも、「大町水の日」の制定は大事だと思いますが、その後、どのような議論になり具現化していくのかお聞きします。 次に、農業振興と農業製品による6次産業化について質問します。 ことしの4月、任期満了に伴って、新制度のもとに新たに農業委員、農地利用最適化推進委員が選出されました。大町市の広大な農地の適正化を見守る農業委員と農地利用最適化推進委員の28名の皆さんは本当に御苦労されていと思います。今、少子高齢化に対して、まともに打撃を受けているのが農業だと思います。高齢化による担い手不足、遊休農地の拡大、何とかして農地の集約化を図り地域の農業を守っていかなければなりません。その崇高な目的のため、農業委員、農地利用最適化推進委員は足を棒にして働いているわけであります。今回、新制度のもとで発足した農業委員会制度ですが、新制度になり半年がたちました。実際の現場を見る中で、今までと変わったことがあるのでしょうか。 また、人・農地プランの中で農業委員のかかわり方について質問します。人・農地プランにおいて、農地の集積等の進捗状況についてお聞かせください。あわせて、大町市21農業推進支援センターの、そして市の農業委員会への支援体制と連携についてお伺いします。 次に、農作物の6次化を農業振興に生かすにはについて質問します。 担い手農家の育成や新規就農者への支援はとても大事なことです。市内でも、農地の集積化を図り法人経営をし農家のイメージを大胆に変えようとしている人たちがいます。また、新規農業従事者の育成といっても、わずかな農地から生活できるまでの農業生産物をつくるということは並大抵ではありません。今ある、アイデアに富んだ農業従事者の支援をしていくことが一番大事だということです。新たな農業従事者を育成するためにも、同僚議員が提案している農林漁業振興対策基金を創設し、国の助成金とは違う、型にはめられない、縛られない大町の特色ある農業の実現に向けての基金の創設はどうでしょうか。 また、農業製品は季節に左右されてしまいます。そのため、大町独自の6次産業化による農業生産商品は欠かせません。県も協力し、推し進めていす。冬から春先に売る商品の開発など、農業の6次産業化について市のお考えをお聞かせください。来年度の農業関連予算の中で市としてどのようなお考えがあるのかをあわせてお聞かせいただきたいと思います。 次に、北アルプス国際芸術祭について質問します。 毎年行っている全国土地価格調査において、地方のある島の特異な例が報道されました。2018年は全国的に27年ぶりに土地価格が上昇しているとのことですが、価格上昇はどうしても大都市圏に限られている傾向があるのも事実です。そんな中、人口が減少している3,000人の小さな島、瀬戸内海に浮かぶ香川県直島で地価が0.9%上昇したそうです。地価上昇の起爆剤になっているのが、島が力を入れてきたアート作品です。そうです、瀬戸内国際芸術祭です。日本を代表する芸術家草間彌生の作品など、島中で現代アートを楽しむことができ、芸術祭期間ではないこの時期に国内外から年間50万人の人が島を訪れています。いい写真が撮れる、インスタ映え、おしゃれな島等、好評です。特に外国人の皆さんが、現代アートに誘われて来ています。その島で、カフェやゲストハウスがふえてきました。島に移住する人がふえてきたのです。そして、新たに誕生したのが、20年以上なかったという不動産屋ができました。古い民家を改造した空き家などを手がけていますが、応募が殺到、すぐに成約するそうです。周辺の島に比べると高い家賃に設定しているそうですが、それでも物件が足りないということです。これはNHKの「ニュースウオッチ9」、2018年9月18日の放送から抜粋しております。まさに北アルプス国際芸術祭の目指すところと思い、テレビを見ていました。 そこで質問します。北アルプス国際芸術祭を一過性のイベントにしないためには。 先般の全員協議会の中で、次回開催に向けて基本計画の概要が示されました。前回、「市民に国際芸術祭の意義がなかなか浸透していない」「アート作品のある場所には大勢の人が来ていたので実感が湧いたが、作品のない地域のことももう少し考慮してほしい」「費用対効果の効果の部分がまだわからない」「大町市は芸術祭を通してどんなまちにしたいのかわからない」等々さまざまな課題が浮き彫りになりました。前回の反省を含めて、次の芸術祭をどう変えていくのかを質問します。 また、先ほどお話しした瀬戸内海の直島は、常時、人が来ています。そこからさまざまな波及効果が生まれ、島が活気にあふれています。芸術祭を一過性のイベントにしないためにも、いかなるお考えがあるのかをお聞かせください。 次に、北アルプス国際芸術祭信濃大町アーティスト・イン・レジデンスの相乗効果を上げるにはについて質問します。 これも一つの例を挙げます。徳島県の中央部にある山険しい山間の町、6,300人の過疎の山里に注目が集まっています。神山町です。徳島県は、施策として徳島県の隅々まで光ファイバー網を張りめぐらしました。この神山町も隅々まで光ファイバーが入っています。この山間の町に16社のサテライトオフィス会社が進出してきました。そのきっかけは何か。神山町では、1999年よりアーティスト・イン・レジデンス事業をスタートさせました。中心になっているのが移住促進支援センター「グリーンバレー」というNPO法人です。徳島県では、移住促進支援センターを県内8市町村に置いていますが、このグリーンバレーだけは民間委託であります。この理事長は、神山町をアーティストを滞在させて「作品をつくる」「鑑賞させる」という場ではなく、世界の中のアーティストが「作品をつくりに来る場」に変えた、それによって、場の価値を高めようと試みました。アーティストの滞在が始まると、外国人を含めた移住者が1人、2人と来始め、そのうち神山町に暮らすためのウエブサイト「イン神山」が立ち上がりました。空き家情報や古民家情報を流し出すと、意外に問い合わせが多いと感じました。そして、ウエブサイト「イン神山」を一緒に立ち上げた人からの提案で、アーティスト・イン・レジデンスの名前を変え、ワーク・イン・レジデンスとしました。今言う働き方改革の流れから、家族で地方に生活をしたいというニーズが合致し、こちらから全国に向かって仕事の逆指名をしました。「ソフトウエア開発しませんか」「石窯で焼くパンをつくりませんか」「デザイナーさん来ませんか」、ここに消費者が少なくても仕事ができる、また、そういう仲間が集まってくる、見事に的中し、16社にも上るサテライトオフィスが開設、若者がふえるに従ってパン屋さんがオープン、徳島市から歯医者さんが来、開業という運びにもなりました。人口は山間部のこの町で、11人ではありますが増加したそうであります。私は、アーティスト・イン・レジデンスは、やり方によっては定住対策にもなり、交流の場でもなると思っています。そこで、ネームバリューがある北アルプス国際芸術祭との連携と相乗効果を上げるにはどのようにしたらいいか、その質問をさせていただきたいと思います。 以上で、1回目の質問を終わります。明確な答弁をよろしくお願い申し上げます。 ○議長(勝野富男君) 質問が終わりました。二條孝夫議員の持ち時間は残り75分であります。 二條孝夫議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 二條孝夫議員の代表質問に順次お答え申し上げます。 初めに、財政運営と行政改革についての御質問にお答えします。 まず、決算に見る今後の財政運営についてのお尋ねでございます。 昨年度の決算は、歳入歳出ともに、平成18年の合併以来、最大の決算規模となりました。歳入面では、市税収入が2.6%の増で、特に市民税では個人・法人ともに税収が伸びており、当地域の経済にもようやく明るい兆しが見えてまいりました。また、ふるさと寄附金の大幅増収もあり、実質収支は4億5,380万円余の黒字となり、財政調整基金からの繰り入れも前年度より5,200万円余減額することができました。歳出面では、第5次総合計画の初年度として、市の目指す将来像の早期実現に向け、人を育むことを最重点目標とし、定住促進や産業振興、雇用の場の確保、子育て支援、そして広域連携及び芸術・文化・スポーツの振興に積極的に取り組むことができ、大きな一歩が踏み出せたものと捉えております。私の政治信念であります健全な行財政運営は、引き続き維持することができたものと考えております。 次に、昨年度決算における黒字額減少の要因についてお答えします。 平成21年4月の財政健全化法の施行を受けて、当市では、それまで最終専決補正において不用額を精査の上、財政調整基金等に積み立てる手法をとっておりましたが、これに変えて、現在は一般会計以外の会計において万一資金不足が生じた場合に、一般会計の実質収支で補完できるよう決算剰余金に余裕を持たせる調整方法をとっております。27年度決算より、病院事業会計において資金不足が生じておりますが、議員御指摘のとおり、一般会計や企業会計の黒字額で連結決算上これを補填することができたため、市全体での連結実質収支は黒字となり、財政指標の連結実質赤字比率は数値なしとなっております。 昨年度の決算で連結実質収支は6億9,900万円余と、前年度より10億4,500万円余減少しておりますが、これは病院事業会計の資金不足が約4億2,500万円増加したこと、また、一般会計において連結実質収支の黒字化を図った上で基金積立額が影響する他の指標の低下を防ぐため、財政調整基金や退職手当基金からの繰入額を減少させたことによるものでございます。地方交付税が減少傾向にあり、自主財源の急激な増加も見込めない中、今後も連結実質収支につきましては徐々に減少していくものと考えております。 次に、近年、財政指標が改善していることの要因についてのお尋ねでございます。 昨年度決算での主な財政指標として、実質公債費比率は7.2%となり、前年度より0.2ポイント改善しましたが、この要因は、大型建設事業を計画的に進めたことにより起債償還額の平準化が図られたこと、また、償還のピークを超えたことにより元利償還金が減少していることに加え、交付税措置の厚い有利な起債を活用してきたことが実を結んできており、一定の成果が指標にあらわれてきたものと考えております。 次に、長期財政シミュレーションにおける財政指標の推移について、お尋ねにお答えします。 今後の財政指標の見通しでは、広域ごみ処理施設建設事業などの大型事業で繰り入れた起債の償還が始まることや、市の基幹収入の一つであります交付税額の減少に伴い財政調整基金などの各種基金を取り崩して活用を図ることとなり、これを背景に厳しい財政運営を強いられることが予想され、実質公債費比率や将来負担比率などの財政指標にも影響が出てくるものと推計しております。こうした状況に対応するため、従前から進めております事業の選択と集中を一層強化し効果的に施策を展開するとともに、財源確保に力を尽くし健全財政を引き続き堅持してまいりたいと考えております。 次に、新年度予算における重点施策についてお答えいたします。 新年度の予算編成におきましては、人口減少や少子高齢化などにより自主財源の確保が難しく、厳しい財政状況を共通の認識とし事務事業の検証を行った上で、選択と集中を徹底することとしております。国は、経済再生と財政健全化の双方を同時に実現させるため、基本方針として、人づくり革命と生産性革命の実現と拡大、働き方改革の推進等を掲げ、少子高齢化の克服により経済の好循環の拡大を目指すとしております。この、国の基本方針の中で、人的資本の質を高め、潜在成長率を引き上げることを中心に据えておりますことは、当市の第5次総合計画の柱であります人を育てる施策が国の目指す方向に合致するものであり、国の積極的な施策の展開に期待するところであります。市におきましては、総合計画前期基本計画の中間年度に当たります新年度は、重点課題であります、市の発展を支える人を育む施策を展開することにより、目に見える成果が求められる年となります。また、御質問にありましたように、全国都市緑化フェアに加え、次回の北アルプス国際芸術祭開催の1年前となりますことから、これらが盛会に開催できますよう新年度予算で所要の経費を見込むこととしております。これらに力点を置き、職員一人一人が柔軟な発想のもと、施策の実現に向け予算編成に取り組むよう指示したところでございます。 次に、行政改革の総括と今後の進め方について、お尋ねにお答えします。 市では、平成19年に第2次行政改革大綱を策定し、事務事業の再編、整理、定員管理や給与の適正化など、さまざまな分野で行政改革を進め、簡素で効率的な行政運営や市民サービスの向上を図る行財政システムの整備に取り組んでおります。 事務事業評価につきましては、今後、多様化する市民ニーズに柔軟に対応するため、総合的な観点から点検を加え、目的を達成した事業等の廃止・縮小や統合などにより効率化を図ってまいります。さらに、民間との役割分担や受益と負担の公平性の確保、行政効率等を考慮し、常に事務事業の見直しを進めてまいります。 また、民間活力の活用を図るため、現在17の施設において指定管理者制度を適用し、市民の皆様へのサービス向上と運営経費の節減等を図っております。施設の設置目的に沿って有効活用が図られているか、また、人件費や運営費のコスト縮減が実現しているか、運営面においてサービスが向上しているかなど、効果の検証を実施しております。 また、公共施設につきましては、施設の統廃合や再配置、長寿命化などにより、当市に見合った規模の施設総量を目指すとともに、持続可能な公共施設の計画的な管理運営に努めてまいります。 こうした行財政改革におきましては、これで十分という到達点はなく、今後も不断の努力を重ねていくべきものと考えております。第5次総合計画の行財政運営方針におきましても、人材や財源など限られた経営資源を有効に活用し、最大の効果を上げることにこだわりを持ち、行政サービスを提供することとしております。持続可能な財政運営のため、また、事業及び施設のマネジメントとして公共施設の有効活用を図るとともに、事務事業の不断の見直しと組織運営体制の強化に努めてまいります。 次に、北アルプス国際芸術祭の進め方と一過性のイベントにしないための取り組みについてお答えします。 昨年の第1回国際芸術祭は、大町の魅力を国内外へ発信すること、また、観光誘客による交流人口の増加と市民参加、そして地域の消費拡大という4つの目標を掲げて開催しました。次期開催に向け、市民の皆様に一層関心を寄せていただき、ともにつくり上げていくためには、開催に向けての説明会や参加作家によるワークショップ、プレイベント、そして作品制作での参画など、市民が何らかの形で芸術祭に直接かかわる取り組みを積極的に進めていくことが重要であると考えます。また、候補地選定の過程で、市民の皆様との意見交換や作家と直接交流する場を設けるなどして、地域の魅力をできるだけ作品の制作に反映し、人と人の交流が芸術祭のアートサイトをつくり出すことを感じ取っていただく機会を創出したいと考えております。 芸術祭は、まちづくりを進める一つの手段であり、単なる一過性のイベントであってはならず、継続的に取り組む中で市民の皆様に芸術祭の目的を御理解いただき、大勢の市民の御参画によるオール大町の体制で芸術祭が開催できますよう準備を進めてまいります。 次に、北アルプス国際芸術祭信濃大町アーティスト・イン・レジデンス事業の連携と相乗効果についてのお尋ねでございます。 御指摘のように、多くのアーティストが滞在制作を契機として地域住民の皆さんと交流し、大町の魅力を作品制作を通じて発信するというAIRの取り組みの本質は、芸術文化都市としてまちづくりを進める上での基本理念とも言えるものであり、この事業により、まちの新たな魅力や価値が生み出され、交流人口の増加や移住・定住の動機づけにつながるものと考えております。AIR事業につきましては、国内外、市内外からアーティストを招聘し、滞在制作や作品展示、ワークショップなどを開催し、芸術文化団体や市民との連携・交流を図る恒常的な取り組みでございます。一方で、芸術祭は、3年に一度開催するトリエンナーレとして、国内外の著名なアーティストにより質の高い作品を制作、展示することで、多くの来場者を迎えるもので、AIR事業とともに、まちづくりという共通の目標を持つものと考えております。この同じ目標を持つAIR事業と芸術祭を相互に連携させ、継続して実施することにより、相乗効果に結びつけていくことができると考えております。 今後、それぞれの特色を生かしつつ連携を強化することにより、市の新たな魅力を創造して、全国に芸術文化都市「信濃大町」を発信するとともに、交流人口、定住人口の増加にも効果があらわれますよう努めてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 会議の途中でありますが、ここで11時5分まで休憩といたします。 △休憩 午前10時51分 △再開 午前11時05分 ○議長(勝野富男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二條孝夫議員の一般質問を継続いたします。二條孝夫議員の持ち時間は残り60分です。 二條孝夫議員の質問に対する答弁を求めます。副市長。     〔副市長(吉澤義雄君)登壇〕 ◎副市長(吉澤義雄君) 私からは、行政改革、事務事業評価に対するお尋ねのうち、課の統合や充実、職員数の適正化及びやり方改善とされた事業についてのお尋ねにお答えいたします。 まず、課のあり方につきましては、庁内組織の改革を図るため、事務改善研究委員会において効率的な事務事業の遂行と市民ニーズへのスピーディーな対応との観点から、組織の見直しについて検討を重ねているところでございます。多様化する行政ニーズの対応が必要となりますことから、各部課等における事務量の把握に努めるとともに、組織のあり方の検討と適正な職員配置に努めてまいります。 次に、合併後10年の病院職員を除く職員の定員適正化についてお答えいたします。 定員適正化につきましては、平成19年に職員適正化計画を策定し、17年度の合併前の3市村の職員数390名を10年後に324名とすることを目指し、組織・事務の整理、合理化等により適正化を図ってまいりました。しかしながら、市民ニーズが多様化する中で、新たな行政需要に対応するため課等を設けたことにより、平成30年4月時点で335名となり、目標とした66名の減員に対し、55名の減員にとどまる結果となっておりますことから、引き続き定員の適正化に向け取り組みを進めてまいります。 次に、事務事業の評価結果をどのように改善につなげるかとのお尋ねにお答えいたします。 当市の行政評価制度は、総合計画における施策や事務事業について、統一的な視点と手法に基づき客観的に点検評価を行うことにより、市民への説明責任と行政サービスの質の向上や経費の縮減などを目的として、平成25年度から継続して実施しております。所管部課等による評価に基づき庁内において集約した内部評価の結果をもとに、外部評価として総合計画審議会において市民の視点、客観的な視点から評価をいただいております。このように2段階で出された評価の結果を翌年の実施計画の策定や新年度予算編成に反映することとしており、また、予算の変更が必要ないものは直ちに反映しております。 議員御指摘のとおり、行政評価はPDCAサイクルにより進めていくことが極めて重要であると認識しており、改善が必要とされた施策や事務事業が翌年度に着実に改善され、行政サービスの質の向上につながるよう努めてまいります。 本年度、やり方改善とされた6事業につきましては、所管課の考え方を改めて整理し、新年度予算に反映するとともに、具体的な改善方法を検討しております。今後も、評価レベルの向上を図るとともに、事務事業が目的に沿った内容であるか常に点検し、必要な改善を図り、市民に信頼される質の高い行政サービスの提供に努めてまいります。 私からは以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 教育長。     〔教育長(荒井今朝一君)登壇〕 ◎教育長(荒井今朝一君) 教育行政についての御質問にお答えしてまいります。 初めに、不登校といじめの実態と取り組みについての御質問にお答えいたします。 近年、市内の小中学校におけるいじめの認知件数は増加傾向にあり、本年度の上半期は昨年度より9件多い83件が報告をされております。これは、いじめ防止法において、心理的または物理的行為で心身の苦痛を感じるものといじめが広範に定義されたことを踏まえ、軽度の行為についても教職員が注意深く認知に努めてきた結果と認識いたしております。内容につきましては、冷やかしやからかい、悪口が約60%、軽くぶたれたりたたかれたりしたが約12%となっており、学年が上がるにつれて金品を隠された、パソコンや携帯電話で誹謗中傷されたなどが数件ございます。学校からは、8割が解消しているとの報告を受けておりますが、中には長期にわたり複数の同級生が金品を奪い暴力行為を繰り返したケースや、特定の生徒の写真を無断でSNSに掲載したケースなどもあり、こうした深刻な案件につきましては、児童相談所や警察署等の関係機関とも緊密に連携しながら、適切な対応と指導に努めております。 また、不登校につきましては、取り組みを進めた結果、平成20年度をピークに減少傾向にございましたが、27年度前後から再び増加に転じ、昨年度は在籍率で県下で最も高いという状況に至りました。本年度上半期においては、小学校は昨年度と同様4名、中学校では昨年より1名減少して21名の計25名が報告をされております。中学校の多くは2年生と3年生で、その約7割は昨年度から不登校の状態が続いており、要因としては、家族関係や交友関係、生活リズムの変調や退学傾向、いわゆる学業の不振など多様ですが、長くなるにつれて要因も複雑多様化し、家庭内の理解や協力の低下とともに、学習のおくれや生活リズムの乱れなども加わり、一層登校が困難になるケースが増加しております。 次に、いじめと不登校に対する取り組みの現状と効果についての御質問にお答えをいたします。 いじめが原因で不登校等に至るケースも時として見られますが、多くの場合はいじめと不登校は直接的には関係がないことを御理解いただきたいと思います。教育委員会では、関係機関や団体の代表者で構成するいじめ問題対策連絡協議会で御協議をいただき、未然防止の観点から、人権教育や道徳教育を中心に、いじめを許さない集団づくりを重視し、自尊感情や他者を思いやる環境の醸成に努め、なかよし集会やいじめゼロ宣言など、児童生徒の自主的な取り組みを推進をし、情報機器の使用についても研修会等で情報モラルの確立に努めております。また、心の教室相談員やコーディネーターを配置し相談体制の充実を図るとともに、いじめホットラインを設け、いじめや不適応等で悩んでいる児童生徒や保護者との相談に努めており、定期的なアンケート調査や個人面接等によって、早期発見と早期対応により、重大な事態への発展の未然防止に努めております。 不登校対策といたしましては、落ち着いて学習できる環境を整え、家庭との密接な連携を図り、未然防止や長期化した際の丁寧な対応に努めております。特別の原因や理由がなくて欠席が長く続くような場合には早期に家庭を訪問し、長期化してきた場合には関係機関と連携をし、校内一体で組織的な支援と対応を行っております。さらに、欠席が30日を超えた場合は、ここからが不登校となるわけですが、学校を初め、保護者や関係機関などによるチームで支援会議を持ち、計画的な支援に努めており、昨年度はこうした取り組みで、小学校で約6割、中学校では約4割の不登校傾向の児童生徒が登校できるようになったという状況にございます。 次に、コミュニティスクールを活用した取り組みにより、いじめや不登校の減少を図ることができないかとの御質問にお答えいたします。 地域住民の皆様が学校運営に参画をいただくコミュニティスクールは、多様な体験学習や地域教材に関する学びを通して、幼少期から社会のルールを理解し、応用力や表現力、人間関係力が高まり、自己肯定観や他人を思いやる心の育成に大きな成果をもたらしております。不登校やいじめのない明るくたくましい学校づくりの面からは、なお一層、地域に開かれた地域とともに歩むコミュニティスクールづくりを推進してまいりたいと考えております。 また、オール大町で、いじめ・不登校をなくす体制がとれないかとの御質問にお答えいたします。 御提案のコミュニティスクールを活用しながら、市民全体でいじめのないまち、不登校の起きないまちへ取り組んでいくことはとても重要であり、市民挙げて取り組みを進めてまいりたいと思っております。その一方で、個別のいじめや不登校に関する案件については、それぞれの児童生徒の養育歴や、真に家庭環境など多くのプライバシーを伴いますので、個別のケースについては学校を初め、保護者や関係機関が緊密に連携をとりながら、具体的な支援を講じていくことが重要と考えております。 次に、教職員の働き方改革に関する御質問にお答えいたします。 市では、昨年度策定した学校業務改善ポリシーに基づき、教職員の意識改革や保護者による理解の促進と事務事業の推進や制度改革の2つの面から取り組みを進めてまいりました。具体的には、不要不急の職務や行事の軽減を図るとともに、ICカードを活用した出退勤システムを導入し、勤務時間の自己管理と早期退校に努めてまいりました。また、PTA総会等の機会を利用して保護者の理解をいただき、本年6月からは夜間等において留守番電話対応とし、夏季休業中には4日間の学校閉庁を設けました。新年度からは、現在保護者等の協力で集金している給食費を市の公費会計に移行することとし、部活動は原則として朝練習は廃止し、休養日を設け、部活動指導員を制度化するとともに、一部の種目については複数校による共同練習等にも着手をいたしております。さらに、県教委とともに検討を進めてまいりましたICT活用による校務支援システムにつきましても、3学期から試行的に導入する運びとなっております。 以上のように短期間に精力的な取り組みを進めてまいりましたが、長い歴史と伝統に培われてきた義務教育の背景には、学校に寄せる地域の期待や教職員の献身的な情熱も不可欠でありますことから、めり張りのある勤務に向けた意識改革のあり方や保護者理解の促進を図ること、指導者が少ない競技種目のクラブ化等に向けた取り組み、学年費など給食費以外の徴収金のシステム化など多くの課題が山積しております。こうした課題を解決していくための施策については、教育現場における働き方改革が、教職員の健康管理ときめ細かな指導の実践など時代の要請に基づくものであること、教職員も保護者や地域住民の皆様にも御理解をいただくことが不可欠ですので、今後も行事の変更や学校徴収金の制度化など具体的な改正を行う際には、その都度、十分な説明と理解の促進に努めてまいります。 さらに、部活動指導員や学校行事の縮減につきましては、競技種目の確保や練習時間の設定、指導者の育成など、生涯学習や社会体育とも密接不可分ですので、関係団体等とも連携し長期的な視点に立って、段階的にスポーツクラブ化や支援ボランティアの活用などの取り組みも進めてまいりたいと考えております。 なお、国の委託事業が終了した後におきましても、多忙化改善と働き方改革は、急激な少子化の進行と多様な教育課題が山積する昨今の小中学校において、限られた教職員体制で効果的で効率的な教育を推進していくためには極めて重要な課題でございますので、指定にかかわらず今後も取り組みを進めてまいります。 私からは以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 病院事業管理者。     〔病院事業管理者(井上善博君)登壇〕 ◎病院事業管理者(井上善博君) 私からは、大町総合病院個別外部監査についての御質問に順次お答えいたします。 まず、個別外部監査で指摘されたポイントについてのお尋ねにお答えいたします。 財政健全化法に基づく個別外部監査は、今月20日が完了期限となっておりますが、先月の市議会病院対策委員会におきましてその中間報告を御説明申し上げたところでございます。報告では、主に現在の病院経営における問題点と経営改善に向けた提案をいただきました。主な問題点としては、まず人員配置の適正化や業務改善がおくれていること、2つ目は、減価償却費を賄えるだけの医業収益が確保されていないこと、3つ目は、年度内に償還できない一時借入金が多額であること、4つ目は、部署ごとに収支状況が把握されていないこと、5つ目は、各部署の目標達成に向けてのPDCAサイクルが有効に機能していないことなどが挙げられました。また、この問題点を改善するために項目ごとに改善提案を示していただいております。指摘されました問題点や改善提案は、院内で十分検討し、健全化計画の中に確実に反映させ、健全化への歩みを一層進めてまいりたいと思っております。 次に、大町病院の経営形態についての御質問にお答えいたします。 個別外部監査の中間報告では、効率的で透明性が高く、中長期の展望に基づく経営が可能な地方独立行政法人への移行を提案しておられます。当院の新改革プランの中でも経営形態を変更する場合、地方独立行政法人が最も適当であるとしております。しかし、法人化は経営の黒字化が条件となりますほか、大きな負債の処理が課題となります。また、単に経営形態の変更により直ちに健全化が図られるとは考えにくいことから、現在の体制下でまず黒字化を実現し、安定的な経営を図ることが先決であると考えております。そして、黒字化を達成し、一時借入金等の償還に一定のめどが立った段階におきまして、中期的な視点に立って独立行政法人化を目指していくことが現実的な道筋と考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 総務部長。     〔総務部長(市河千春君)登壇〕 ◎総務部長(市河千春君) 私からは、財政運営と行政改革の御質問のうち、外的要因による財政への影響について、人口減少等による財政への影響について、事務事業評価による事業の縮小・中止について及び議会の事務事業評価への対応についてのお尋ねにお答えを申し上げます。 最初に、外的要因による市財政への影響についてお答えを申し上げます。 普通交付税につきましては、合併算定替えの優遇措置やリーマンショック後の景気対策等もあり、平成22年度をピークに、27年度までほぼ横ばいで推移してまいりましたが、合併から10年を経過いたしました28年度から優遇措置が段階的に縮小し、32年度には全て終了となります。また、過去に発行した起債の償還完了に伴う交付税措置の終了や人口減少に伴う減額等の影響もあり、合併特例債等の償還に伴いまして一時的に交付税がふえる時期があるものの、交付税は今後減少する方向であると見込んでおります。 次に、景気動向に伴う市税収入への影響や、来年10月の消費税増税による影響についてお答え申し上げます。 さきに発表されました11月の月例経済報告では、景気は緩やかに回復しているとし、さらに個人消費や企業収益は堅調に推移していると判断しております。しかし、通商関係に不安定要素が多い現状では、今後の景気動向も不透明であることは否めません。また、消費税増税の影響につきましては、税率引き上げ前に住宅や自動車などの耐久消費財に駆け込み需要が発生する反面、その反動による消費の冷え込みにより一時的に景気が後退することが懸念されております。このため国では、ポイント還元や住宅取得時の減税策等の対応策を検討しているところでございます。 以上申し上げましたとおり、当市の財政に直接大きな影響を及ぼします国の動き等々につきましては、引き続きアンテナを高くしてその動向を注視してまいります。 次に、人口減少と少子高齢化による当市の財政への影響と新たな自主財源についてのお尋ねでございます。 少子高齢化が県内19市の中でも著しい当市におきましては、議員御指摘のとおり、自主財源の確保にも大きな影響を及ぼしております。地方交付税におきましては、算定の基礎となる項目が国勢調査人口や児童生徒数等が用いられておりまして、人口減少や少子高齢化が進むことにより、交付税額が減少することとなります。また、生産年齢人口の減少におきましても、特に若年層の人口が少なく、今後も大きく増加に転じる見込みも薄いことから、長期的に見ましても市税収入の減少は避けられないものと分析しております。新たな自主財源の確保につきましては、企業の新たな立地や農産物等の販路拡大による信濃大町ブランドの展開、さらには民間事業者の事業展開など新しい取り組みへの支援により、地域経済の活性化を図ることにより自主財源の確保を目指してまいりたいと考えております。 次に、事務事業評価結果といたしまして、縮小・中止となったものがゼロとなっているが、事業の選択と集中ができているのかとのお尋ねでございます。 本年度の評価は29年度事業を対象としておりまして、29年度は市第5次総合計画の初年度でございました。よりまして、前計画の第4次総合計画の評価、総括を反映した直後でございましたことから、事務事業評価の結果として縮小・中止との評価がなかったものと判断しております。しかし、議員御指摘のように、多様化する市民ニーズに対応し効率的な財政運営を進めるためには、事業の選択と集中を一層進めることが重要と認識しており、目的を達成した事業等の廃止や統合など、スクラップ・アンド・ビルドにより引き続き事業の効率化を図ってまいります。また、事務事業評価に限らず、毎年度実施しております実施計画や新年度予算編成におきましても、事業の必要性等を十分に検討し、事業の選択と集中を進めてまいります。 次に、議会で実施をいただきました事務事業評価への対応についてお答えを申し上げます。 本年度、議会から評価をいただきました10の事業につきましては、それぞれ所管課におきまして、今後の方向性や新年度予算へどのように反映していくか等につきまして現在検討中でございます。したがいまして、整理ができた時点で議会にお示しをしてまいります。 私からは以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 産業観光部長。     〔産業観光部長(竹村静哉君)登壇〕 ◎産業観光部長(竹村静哉君) 私からは、ブランド戦略と農業行政についての御質問に順次お答えいたします。 初めに、大町市の水の弱みを克服するための具体的な戦略についてのお尋ねでございます。 市の水の弱みを補強するための具体的な施策としましては、信濃大町水ブランド戦略において、「水に触れる場所の創出」や「水を軸とする統一イメージの構築・浸透」、また、「水の情報発信の強化」や「国際的な評価に基づくブランド化」「食の磨き上げと発信」「人材育成」の6つを掲げております。このうち、統一的なイメージの構築・浸透と情報発信の強化の取り組みでは、キャッチフレーズやロゴマークを制定しましたほか、専用ホームページの開設などにより情報発信力を強化し、弱みを補強してまいりました。また、水の国際的な評価に基づくブランド化では、本年春のモンドセレクション2018最高金賞及びiTQi優秀味覚賞2018の受賞は、世界的な評価としてブランド化に大きな成果をもたらしております。食の磨き上げと発信への取り組みでは、食の情報誌「料理王国」を活用した食材プロモーションにも取り組んでおり、水に育まれた信濃大町の食材の魅力を通して、目に見えない水の味覚を効果的に発信しております。今後も、さまざまな機会を着実に捉え大きな強みに変える事業展開を、引き続き新たなアイデアのもとで進めてまいりたいと考えております。 また、当市の水ブランドは、本年度市内に進出を決定された、「水と生きる」をテーマとする大手飲料水メーカーの企業ブランドとも全く合致することから、この企業と連携した取り組みも模索してまいります。 次に、駅前親水公園についてのお尋ねにお答えいたします。 駅前親水スポット整備事業につきましては、昨年3月に策定いたしました基本構想案をもとに、同年5月に議会全員協議会での説明を初め、大町駅前本通り商店街振興組合を含む5団体の皆様とそれぞれ意見交換会を実施したところでございます。各団体との意見交換会では、ハードありきで考えているのではないか、市民の交流や憩いの場としては現状のものでもよいのではないかなどさまざまな御意見をいただきました。市としましても、議員各位を初め、関係者の皆様からいただきました御意見などを踏まえ、検討した結果、現在の構想案ではなく、大きく見直しを図ることが適切であると考えております。また、事業費につきましても、現時点におきまして、国・県など有利な財源の確保が見通せないことから、構想案の見直しとあわせ、時間をかけて検討してまいりたいと考えております。 次に、水の恩恵を受けてきた当市の歴史から、水と親しんできたまちづくりの再現、人々の生活のありようを強調していくことが弱いとのお尋ねにお答えいたします。 信濃大町ブランド戦略では、市民の市に対する誇りや愛着心をさらに向上させるため、また、全国及び海外の人々の信濃大町に対する認知度、魅力度を向上させることを目的に、信濃大町ブランド専用のホームページを開設することを掲げております。このホームページでは、水と人の歴史から、水とともに生きる人々の様子を「ものづくり」「食べる」「癒やし」「暮らし」「買う」の5つのコンテンツにより構成し、水と人が紡ぎ出す信濃大町の物語をコンセプトとしております。今後も、このコンセプトに沿った形でさまざまな事業を展開してまいります。 次に、「大町水の日」についてのお尋ねにお答えいたします。 「大町水の日」の制定につきましては、6月定例会で御質問いただき、今後、方向性について検討すると答弁させていただいたところでございます。その後、2回にわたり信濃大町ブランド戦略推進委員会に諮り御協議をいただきました。市では、御協議いただく中で出されたさまざまな意見を踏まえ、まず、市の宝であります水に感謝し、できるだけ多くの市民の皆様が地域に対する誇りや愛着を醸成できる機会に触れられるよう、特定の日を設定せず一定の期間として設定し、その期間内に開催される水に関連したイベントなどと連携し、ポスターやのぼり旗の製作などにより機運の醸成を図りたいと考えており、今後開催予定の信濃大町ブランド戦略推進委員会や研究会などにおいて、今後の方向性や具体的な方策について検討を進めてまいります。 続きまして、農業行政についての御質問にお答えいたします。 初めに、新たな農業委員制度となり半年がたち、これまでとの変更点はとのお尋ねでございます。 新制度への移行前には、議決権を持たない推進委員の活動を心配される声もありましたが、毎月開催しております定例会には、農業委員及び推進委員の全員が出席をし、農地取得や転用案件及び農地利用賃貸借の計画の審議に御参加いただくことにより情報共有を図るとともに、市内農地2,800ヘクタール、約3万4,000筆の農地パトロールも、双方の委員が参画して実施しております。このように、農業委員と農地利用最適化推進委員が密接に連携して、二人三脚の体制で農地利用の最適化に取り組むことで、新体制への移行後も従前と変わることなく広範囲にわたる農業の振興が図られているものと考えております。 次に、人・農地プランにおいて、農地の集積等の進捗状況についてお答えいたします。 農業委員及び推進委員は、担当地区内の農地状況を把握し、適切な農地利用の推進に当たっております。活動の中で、耕作が困難となった農地情報を把握した場合には、人・農地プランの制度を活用して地域内の担い手への耕作委託を促進するとともに、将来的に耕作が困難と見込まれる農地につきましても、制度を活用して遊休化予防に努めております。これまでのところ、この制度により約30ヘクタールの農地が集積されておりますが、今後も引き続き農地の荒廃防止に努めてまいります。 次に、大町市21農業推進支援センターと市による農業委員会への支援体制と連携についてのお尋ねにお答えいたします。 支援センターでは、県の農地中間管理機構が行う農地の貸し手から担い手等への農地の集積と配分に関する事業を担当しております。平成26年度に始まりましたこの農地中間管理事業による担い手等への農地の配分状況は、本年11月末時点で656筆、面積約106ヘクタールとなっております。農地の利用に当たりましては、それぞれの担い手等の農業生産の実態に即した対応が重要となりますことから、支援センターと農業委員会では密接に連携を図りながら地域の農地の利用調整を進めてまいりました。今後も、引き続き地域の実情の把握に努めるとともに、自身も主体的に農業生産を担っております農業委員及び農地利用最適化推進委員との連携を図り、農地の貸し手と受け手の相談・調整を行い、農地の集積を円滑に進めてまいります。 次に、農林漁業振興のための基金の創設について、お尋ねにお答えいたします。 農業従事者の育成につきましては、市の重要な課題であり、その解決のためには効果的な農業振興が必要であり、市議会におきましても基金の創設について御提案いただいております。基金の創設は、複数年の財源を安定的に確保することにより、市内農林業事業者が将来を展望し安心して事業経営に取り組む環境を整備することにより、事業者の不安の解消や意欲を喚起することが期待できる面がありますが、現在のところ、市としましては、必要となる事業費は年度ごとに確実に予算を確保し、事業者の支援の効果を図ってまいりたいというふうに考えております。引き続き基金の創設につきましては、他市の事例等を検証する中で、効果を見きわめながら慎重に検討してまいります。 次に、6次産業化について市の考えはとのお尋ねにお答えいたします。 6次産業化は、地域資源の有効活用に加え、農業所得の向上など広域的な経済効果が期待でき、農山村地域の再生や活性化につながる有効な手段であります。豊かで柔軟な発想を持った農業者を支援し、春から秋にかけて収穫した農産物を直接販売するにとどまらず、加工した上で販売まで一貫して手がけることができれば、議員御提言のように冬から春先に販売する商品の開発にもつながることになり、6次産業化の推進による地域経済の底上げが期待できるものと考えております。 次に、新年度の農業関連予算の中で、6次産業化についてどのように考えているかとのお尋ねにお答えいたします。 新年度の6次産業化関連予算につきましては、経営体の育成支援や6次産業化の推進整備などにおいて国の補助金を活用した事業のほか、市独自の支援策としまして、みずからが生産した農産物の加工施設や機械・備品等の導入に要する経費に対する地域特産加工制度を活用し、ソバの乾燥調製施設とリンゴやブドウなどの果実を醸造する施設の建設等に対する助成を検討しております。6次産業化の事業につきましては、規模において大小さまざまな形態がありますが、夢や希望を持って農業を営む方々に対しまして、支援が形となるようお手伝いすることが我々行政の使命であると考えておりまして、今後も引き続き施策の構築に努めてまいります。 私からは以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 病院事務長。     〔病院事務長(勝野健一君)登壇〕 ◎病院事務長(勝野健一君) 私からは、大町総合病院再建のための収支計画についての御質問に順次お答えをいたします。 初めに、来年3月までの改善見込みについてお答えをいたします。 先月21日に開催されました市議会病院対策委員会におきまして、収支計画の推計値を御報告いたしました。この推計値では、本年度の収支見込額を前年度と比べ1億8,000万円ほど多い45億8,000万円余といたしました。これは、本年10月までの入院外来収益が前年度と比べて伸びており、1億3,000万円余の増収となっておりますことをもとに、年間の増加額を推計したものでございます。この収益の増加は、本年4月から診療報酬上の機能評価係数が上昇したことに加え、本年7月に病床数を199床に削減したことにより、さらに優位な診療報酬を確保できることとなり、今後も継続して確保できるものと考えております。 一方、費用では、10月までの超過勤務手当などの削減に加え、12月から実施いたします給与額の抑制、診療材料費などの減などにより7,000万円ほどの削減額を見込んでおりますほか、減価償却費が7,000万円ほど減少し、費用の総額は前年度より1億4,000万円ほど少ない48億1,000万円余と推計いたしました。したがいまして、収支の推計値が達成できた場合には大幅に改善する見込みとなります。引き続き、年度終盤に向けて収支の改善に努力を傾注してまいりたいと考えております。 次に、収支計画の実現性についての御質問にお答えいたします。 新年度の入院・外来収益は、病床数を199床に転換した後の診療報酬額を通年で見込めますことから、本年度より3,000万円ほどの増収を見込んでおりますほか、虹の家の非常勤職員を病院職員として受け入れることによる北アルプス広域連合からの委託料を2,000万円余増額しております。また、資金不足のため資本的収支に充当しておりました一般会計繰入金のうち3億円ほどを資金収支が改善することにより医業外収益に充当できますことから、全体では3億5,000万円ほどの収益増となります。 一方、費用は、年間を通して職員給与の抑制を行うことや経費の削減を一層図ることを前提として、1億円ほどの削減する計画としております。 次に、給与費の削減についての御質問にお答えいたします。 職員給与費につきましては、職員労働組合との妥結を踏まえ今月から給与費を抑制し、来年度は年間を通して実施することといたします。また、業務改善を図る中で超過勤務手当などの削減も大幅に進んでおります。このほか、退職給与費が前年度と比較して2,000万円ほど減少し、来年度はさらに2,000万円ほどの減を見込んでおります。給与費の総額には、この退職給与費も含みますため、今年度及び来年度の総額がそれぞれ前年度より減少するものでございます。 次に、収支計画をもとに今後進める健全化計画の留意点についての御質問にお答えいたします。 今回の収支計画は、現時点において想定する推計値でございますが、年度内には個別外部監査の結果を踏まえ十分精査した上で、詳細な収支計画をお示しすることといたします。また、健全化計画における収支計画は、資金不足比率が33年度末には20%を下回り、おおむね10年を目安として資金不足額をなくすことが求められており、当院の計画におきましても、これに準じ、実現可能な計画を策定し、できるだけ早期に健全化を達成できますよう全力を尽くしてまいります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。二條孝夫議員。 ◆13番(二條孝夫君) るる、いろいろ答弁をいただきました。その中で、これは私の意見でいいですので聞いておいていただきたいんですけれども、大町病院、今回の推計値を見ますれば、10月まで1.3億円の増収になると。今後も病床数が減ることによって増収が見込まれるということでありますけれども、今回たまたま熱中症だとかいろいろな部分で、外的な要因があるのも入っているのかなという感じがします。ですから、何度も言うようですけれども、収益ありきの推計は、今までの計画と変わらない、そんなふうに思いますので、綿密に数字を積み上げて確実な収益、あとは季節的な要因は全部抜いて、確実な収益を必ずそういうふうに積み上げていって推計をしていくということが大事だなと、そんなふうに思います。これは私の意見でありますので、よろしくお願いします。 それと、再質問でありますけれども、アーティスト・イン・レジデンス、これはこの前も組織的な話がありましたけれども、どういう位置づけだとか、私は、アーティスト・イン・レジデンスの大きな枠組みにあって、その中にいろいろな部分、北アルプス国際芸術祭があれば、いろいろなこういうものが入ってくるという、そういうことだと思うんです。そのぐらい、アーティスト・イン・レジデンスというのが大事だと思うんです。そのぐらい大きなくくりの中にないといけないなという感じがします。今のままでは、アーティスト・イン・レジデンスがどんどん尻すぼみになっていってしまうような気がしてならないんですけれども、そこら辺のことについてお聞きします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部参事。 ◎総務部参事(和田泰典君) ただいまの御質問にお答えいたします。 今、議員御指摘されたように、アーティスト・イン・レジデンス事業につきましては、非常に大きな構想のものであります。捉え方によりましては、AIR事業が根底にありまして、その中で芸術祭ですとかさまざまな市内の芸術家の活動等々、市民との交流を含めた活動につながるものというふうに考えております。なので、北アルプス芸術祭は3年に一回のトリエンナーレということで、イベント的に大きな開催するわけでありますが、AIR事業につきましては、継続事業としまして地道な努力によってその地域とのつながりを含めた上で取り組みを進めていくと。決して、AIR事業を軽視するということではなく、AIR事業を継続して開催しながら、それに伴って芸術祭についても、より一層爆発力を持てるような形で事業として展開していきたいというふうに考えております。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありませんか。二條孝夫議員。 ◆13番(二條孝夫君) メンドシーノに行くと、まさに芸術のまちなんです。それが中核になっているのがアートセンターというところなんですけれども、なかなかそれを新規につくれなんていうことは難しいと思うんですが、メンドシーノのようにアートセンターみたいな、そういう芸術家の寄り集まるところ、市民が寄り集まって触れ合う場所、そんなものが今後必要ではないかなというふうに思うんですが、そこら辺はどうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 姉妹都市メンドシーノのように、町なかにアートセンターのようなものが設置できないかということでございます。御提案のように、大町市内にもメンドシーノ「アートセンター」のような市民との交流あるいは滞在制作するような、そうした拠点があれば、確かに年間を通じて芸術あるいは文化をアピールでき、また、これが誘客を図る拠点となることも想像されます。現段階では、しかし、こういったことに一足飛びに拠点の整備に向かうということは容易なことではないと考えられますことから、今後、粘り強くAIR事業やあるいは芸術祭を継続して開催していくことにより、芸術文化都市信濃大町としての盛り上がりあるいは市民の方々の芸術文化のまちづくりに対する機運がより高まった時点で、御提案いただきましたようなアートの拠点の構想が間違いなく現実味を帯びてくるんではないか、そのように考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。     〔「関連質問」と呼ぶ者あり〕 ○議長(勝野富男君) それでは、ここで、関連質問の通告がありますので、これを許すことといたします。降旗達也議員。 ◆2番(降旗達也君) 政友クラブの降旗達也でございます。 それでは、水ブランドにつきまして、1点関連質問をさせていただきたいと思います。 水ブランドの推進または大町市のアピールということで、商工労政課において信濃大町ブランド啓発事業といたしまして、市内で水を入れて飲んでいただき、また、まち歩きをしていただくという目的で、空のペットボトルを配布いたして、大町の水に親しんでいただいているというふうに思います。観光客などのお客様に配っているところにお話を聞きますと、本当に好評で、ペットボトルが足りなくなるというような状態もあるようで、本当に事業としてはいい成果が出ているのかなというふうに思っている部分ではあります。 しかしながら、皆様御承知のとおり、昨今、プラスチックストローの問題等、取り沙汰されておりますマイクロプラスチックによる海洋汚染などの問題等が出てきております。環境省の海洋プラスチック問題についてという資料を見ても、陸上から海洋に流出したプラスチックごみの発生量が、2010年の推計で1位から4位が東・東南アジアという結果でありまして、2050年までには海洋中に存在するプラスチックの量が、魚の量を重量ベースで超過するというような予測もされておるわけであります。先ほどの観光客等に好評だったという、本当にいい面もあれば、こういったペットボトルのようなプラスチックは、こういった負の面もあるわけであります。ちょっと悪い言い方をすれば、税金でごみをつくって、そのごみを配って地球環境が悪化しているというふうに捉えられるというふうにも思われます。決してペットボトルが悪いとか、そういう話をしているわけではありませんし、自分もペットボトルの飲み物を購入しているわけでありますが、しかしながら、市が水ブランドということを掲げていくのであれば、やはりそういった環境問題等にもしっかりと対応して、一歩進んだブランド戦略にしていっていただきたいというふうに思いますし、していかなければいけないというふうに思います。 海と日本プロジェクトというのを聞いたことがあると思います。海と日本プロジェクト、今年度は塩の道ちょうじやさんが、海と日本プロジェクト・イン・長野ということで取り組んでいただいたわけでありますけれども、そこの海と日本プロジェクトの中で、牛越大町市長も著名人応援団としてコメントを出されております。時間がないので読み上げませんけれども、その中でも、しっかりと環境のこと、海のことを考えて、貴重な水資源を次世代に引き継いでいきましょうというふうなコメントを出されております。また時間ありましたらホームページ等見ていただければと思いますが、本当にこういったことを考えていくと、大町市で使っているペットボトルが、こういった分解されるようなものであればいいと思いますが、そうでないペットボトルであれば、この事業を一旦中止をして、休止でもいいですが、分解されるペットボトルとか紙のボトルが存在するようですので、そういったものに変えていく必要があると思いますけれども、担当課、いかにお考えか、お伺いしたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。産業観光部長。 ◎産業観光部長(竹村静哉君) ただいまの観光客に配布しておりますペットボトルは、今後分解されるペットボトルなどに変えていく必要があるのではとのお尋ねでございます。 議員御指摘のとおり、現在世界的規模でプラスチックによる海洋汚染が問題視されておりまして、これまでに60カ国以上でビニール袋の廃止とかプラスチックストローの使用禁止などにつきまして計画がされたり、また、既に実施がされておるというふうに聞き及んでおります。市におきましても、信濃大町ブランド戦略では、まちのイメージ向上を図ることを主眼として、自然環境の保護や魅力を磨くことを目的としており、ペットボトルの配布につきましても、今後国内で既に流通しております多数のペットボトル、こちらの取り扱いの動向などを踏まえた上で、関係の皆様と協議して決めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。     〔「終わります」と呼ぶ者あり〕 ○議長(勝野富男君) 以上で二條孝夫議員の質問は終了いたしました。 ここで1時まで昼食休憩といたします。 △休憩 午後0時01分 △再開 午後1時00分 ○議長(勝野富男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第2位、日本共産党を代表する平林英市議員の質問を許します。平林英市議員。     〔12番(平林英市君)登壇〕 ◆12番(平林英市君) 日本共産党を代表して質問します平林英市です。 1として、消費税率10%増税について、2として、大町総合病院の経営改善について、3として、地下水採取規制条例について、4として、工場等誘致振興条例について、5として、住宅性能向上リフォーム事業についての5項目の質問をします。 初めに、安倍政権の消費税率10%増税について、市長の基本的考えについて伺います。 第1には、消費税は、所得の低いほど負担が重くなる逆進性の税金です。10%引き上げによってますます貧富の格差を広げ、市民の中にも不公平な制度によって生活のやりくりに苦しむ人が広がっています。この点について認識を伺います。 第2には、増税とともに、消費の抑制によって地域経済が低下して、景気冷え込みによる悪影響を与えます。例として、5%から8%に引き上げられた2014年には、年収500万円の4人世帯では年間7万円の負担増となって、買い物を控えることによって地域経済に大きな影響を及ぼしています。増税による自治体の税収の落ち込みや、市民生活を守る観点から認識を伺います。 第3に、大町病院が収支不足による経営の困難に追い打ちをかける消費税増税です。根本的問題は、保険診療に消費税が上乗せして徴収できないことであります。しかし、その一方では、施設改修費、医療機器購入費、薬品材料費、その他全ての物品には消費税がかかります。全国全ての医療機関で問題になり、全国医師会でも政府に対策を提言しております。政府は診療報酬に上乗せするものとしていますが、実態としては診療報酬がどんどん引き下げられています。大町病院でも、8%になったときは年間約1億円を超えて持ち出しになっていると私の質問に答えております。消費税増税による大町病院の経営を圧迫しているとは考えられませんか、伺います。 第4には、消費税増税は、高齢化でふえ続ける年金や医療、介護、子育て支援、いわゆる社会保障に充てると政府は説明してきましたが、大企業中心とした法人税の引き下げの穴埋めに充てられ、社会保障はますます減退しています。さらに言えば、消費税がどこに回っているかわかりません。軍事費が、ついに年間5兆円を突破してふえ続けております。この点はどのような認識をしているか伺いたいと思います。 そして、市長に伺いたいと思いますけれども、地方の経済の冷え込みによる自治体の税収の落ち込み、さらに市民の生活を守る観点からも、消費税増税に反対して国に意見を上げるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺いたいと思います。 2項目めの大町病院経営改善について伺います。 まず、自治体病院の経営は、人口規模が大きい自治体を除いては、経営的には厳しい状況と言われています。その根本原因は、1として、自治体病院が経営悪化に陥る要因は人口減少などの僻地による不採算医療を担っていること、2として、国の政策としての診療報酬の引き下げに伴う医業収益の減少、3として、医師不足があり、臨床研修医の研修先や専門医療を目指す医師が研修先の大都市総合病院に行くことによる要因、4として、非効率的な経営の問題がある市派遣の職員は数年で異動により病院経営のノウハウが蓄積しない、5として、医療機器やコンピューターシステムなどの調達は民間病院より高い購入、6として、高い人件費がある民間病院は約50%、自治体病院は約60%の水準となっています。このように自治体病院の経営を圧迫する原因が数ある中で、どのように大町病院の経営改善を図っていくのか、具体的な質問をこれからしていきます。 まず、1として、大町病院が提案している経営健全化計画によると、平成30年度の上半期の医業収益が29年度と比較して1億1,600万円の収益増となっています。昨年からの機能評価係数向上の取り組みと病床数199床への転換により、診療単価の増収につながっているとの説明でありました。私は、医業収益を上げる取り組みとして希望が持てる方向性ではないかと評価しております。この改善計画で、長期的観測に立った経営改善が見られるかお伺いいたしたいと思います。 2として、資金不足比率解消の基本方針について伺います。 29年度決算をベースにして資金不足を改善するために、目標値を3億5,000万円と定めて、おおむね半分ずつ収益増とコスト削減を積極的に進めるとあります。特に、コスト削減での人件費削減は簡単にはいかないと思います。議会と労組幹部との懇談でも出されましたが、「削減は、仕事に生きがいを持って働いている若い人ほど影響が出て意欲をなくし、やめる職員が出る」「ぎりぎりの生活で子育てしている」「削減されたら他に移るしかない」、このような声が職場から出ていると聞きました。人件費削減は労組と交渉して慎重に進める必要性を感じますが、どのような対策かお聞かせください。 次に、個別外部監査中間の報告書について伺います。 1として、幾つかの改善計画が提案されていますが、地域の人口減少による医療需要が縮小していくことが予測される中、設備投資の要否あるいは減価償却費を賄えるだけの医業収益確保ができていない、この点の検討がおろそかにされていたと厳しい指摘がありました。どのように捉えているか伺いたいと思います。 2として、現在の大町病院の大きな赤字の要因は、人員の増加による人件費の増加と指摘しております。中長期的な事業計画と整合性のとれた人員の配置計画とありますが、どのような計画か伺いたいと思います。 3として、不適切な一時借入金については、地方公営企業法違反とまで指摘されています。一時借入金は事業年度内に償還が原則であり、大町病院の実態は、平成25年度に一時借入金が発生して、29年度末には14億円という恒常的巨大な額に至っています。この違法状態を解消するには、病院収益の改善により利益の中から返済するか、市よりの繰入金の増額により返済するかとしていますが、見解はどうでしょうか。 4として、外部監査の改善提案では、地方独立行政法人に転換を提案していますが、弾力的・効率的で透明性の高い中長期的の展望に基づく病院が可能としています。独立法人化とは、自治体とは切り離して独立した法人として病院運営を行うということではないかと思いますが、法人化に向けては非常に厳しい課題が残されていると考えます。累積債務の完済、黒字経営が条件、職員の非公務員化などなどが考えられますが、どのような見解を持っているか伺いたいと思います。 次に、組織改革について伺います。 当面の組織では、地方公営企業法全部適用の公立病院として、財政的な市の繰出金と貸付金を支援して経営を成り立たせてきました。経理の統括責任者の事務長は、全部適用後も市長が指定して市職員が継続しました。大町病院の根本的経営改善で再生するためには、病院経営の専門的知識のある人員配置は検討に値することと思いますが、いかがでしょうか。 最後に、地域住民の健康と医療を保障し、市民の安心した医療機関としての大町病院を守っていく観点では、行政としての責任があります。その観点に立って、市長は開設者として大町病院の経営体系をどのような形にして経営改善を図っていくか、総合的な所見を伺いたいと思います。 次に、3項目の、仮称でありますけれども地下水採取規制に関する条例について伺います。 環境省の資料によると、地下水採取規制に関する条例を県内で制定している市は、15市に及んでいます。条例がないのは、大町市、飯田市、塩尻市、上田市、この4市のみになっております。安曇野市の条例の名称は、地下水の保全・涵養及び適正利用に関する条例となっています。その3条では、「地下水は、かけがえのない市民共有の財産であり、かつ、公水であるとの認識に立ち、この地下水を守り、育み、そして活かし、健全な地下水環境の創出と適正利用を行うために、市、市民、事業者はそれぞれの責務を果たす」と規定されております。2020年度よりサントリー食品が大町市に拠点工場を建設し、天然水の製造を開始します。地下水を採取して、ミネラルウオーターとして、500ミリリットル缶で24本入りケースを年間1,000万ケースを製造するという膨大な地下水をくみ上げる計画であります。既に1社が地下水から飲料水の製造を行っている現状の中で、水源最上流とも言える大町市は、地下水利用については何の規制のないまま事業者の水利用開発に任せております。市民共有の地下水活用としての認識に立つならば、地下水保全の条例制定に向けて検討する必要を提言するものですが、いかがでしょうか。 4項目めの工場等誘致振興条例について伺います。 この条例は、市内に工場を新設、移設、増設する事業者に対して必要な助成を優遇措置として講じ、市外からの企業誘致により雇用拡大を図り、また、市内の既存企業の育成を図るということが第1条に規定されております。 私が非常に矛盾を感じているのは、2条8項の常用雇用者というところであります。「当該工場において、雇用保険法に定める被保険者として雇用される者」となっております。つまり、要約すれば、雇用保険の対象にさえなれば、正社員でなくても、非正規雇用者でも常用の対象として、人数割に応じて市からの助成金と固定資産税3年間の無税の優遇措置が受けられるというものです。この条例の目的は、雇用を生み出し、若い人たちの安定した職場として、子どもを育て定住した生活を与えるというものではないでしょうか。この条例を削除して、正規の社員のみを対象にした条項に改めるべきでないか、伺いたいと思います。 さらに、誘致した企業が撤退したならば、どのような対応になるのかの条項がありません。伊那市では、大企業の撤退で社会的な問題に発展しました。一定額の助成金の返還を求めるべき条項が必要と思われますが、いかがでしょうか。 5項目めの住宅性能向上リフォーム事業について伺います。 この事業については、今まで継続的に質問してきました。行政側は、住環境の向上促進と地域経済の活性化を目的に行ってきたが、市民の住環境と地域経済の活性化に大きな役割を果たしたと答えております。しかしながら、市長は、限定的な期限での事業であるから収束するかの発言を行ってきました。当初の住宅リフォーム促進事業は総額6,200万円の総事業費を補助してきましたが、29年度は2,900万円で打ち切りになっております。まだまだ希望者があったのに、補正予算を組まずに打ち切ってきたのです。市内の中小事業者が仕事がふえて、市民の住宅改修の意欲を引き出し、地域の経済を活性化させ、さらには市税への増収を見込め、このように広く市民に理解されているこの事業を縮小させ、さらには廃止しようとする意図をお聞かせ願いたいと思います。31年度の事業は継続するのか、この事業を継続するとするなら予算規模はどのくらいになるのかをあわせて伺います。 これで、1回目の質問を終わります。 ○議長(勝野富男君) 質問が終わりました。平林英市議員の持ち時間は残り54分であります。 平林英市議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 平林英市議員の代表質問に順次お答え申し上げます。 初めに、消費税10%への引き上げに伴う地域経済に与える影響についてお答え申し上げます。 社会福祉の充実には互いに支え合う社会の形成が不可欠であり、高負担、高福祉の考え方が世界中を見渡しても多くの国々でとられております。我が国におきましては、とりわけ少子高齢化が進み、巨額の財政赤字を抱えながら将来にわたって現在の社会保障制度の枠組みを維持していくために、現役世代の負担だけに頼ることは困難な状況に至っております。また、国では、世代間の公平の見地から、社会保障制度を全世代対応型へと転換することにより、就学前、学齢期、若年層から高齢期までを通じて一貫した支援の実現を目指すとしており、こうした背景から、安定的な社会保障制度の財源を確保するための手段の一つとして消費税率を引き上げるというのが国の考え方でございます。 議員からは、消費税は逆進性が高く不公平との御指摘がありますが、税制の設計では、公平性の担保は重要な視点ではありますものの、何をもって公平とするかは人によって考え方や感じ方が異なるところであります。しかし、消費税は文字どおり消費者が消費したものやサービスに広く課税されるものであり、現役世代だけでなく、あらゆる世代から公平に負担いただくものであります。仮に高額所得者層の税負担を重くすると考えるのであれば、消費税はそもそもそうした機能を持たないため、所得税やその他の方策で解決し、直接税、間接税のあり方を含め、租税体系全体の中で公平性を担保すべきものと認識いたしております。税率は同一であっても、より多く消費する高所得者のほうが一般に支払う税の負担額は多くなりますが、一方で、各個人の消費税の納税額に関係なく、受ける社会福祉サービスは同様でございます。消費税は、現役世代だけでなく、サービスを受ける世代にも一定の負担を求め貢献いただく制度であると考えております。 国におきましては、予定どおり来年10月に消費税率を10%に引き上げるとしておりますが、国では、税の逆進性を解消するための手だての一つとして、飲食料品などの生活必需品を対象に軽減税率を導入し、その対象品目は現行の8%に据え置くことで、できるだけ低所得者等への影響を回避するとしております。また、前回の増税の際の経験から、景気の落ち込みを最小限に抑えるよう、臨時的な経済対策、生活の支援策などに十分に配慮するとしております。市といたしましても、市税収入がようやく回復基調となっておりますが、消費増税が地域経済に与える影響は少なくないものと考えており、国による国民生活への影響の緩和策や経済対策が、着実かつ効果的に実施されますことを期待するところでございます。 次に、消費増税に反対して国に意見を上げるべきではないかとのお尋ねにお答えします。 今回の消費税10%への増税につきましては、国の方針では、年金や医療、子育て支援などの社会保障の充実に充てるとしております。議員は景気の冷え込みを懸念されておりますが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、消費税と景気動向の関連性につきましても、増税後に一時的に景気が後退する傾向が見られますことから、地域経済や国民生活に与える影響は少なからずあるものと考えております。一方で、社会保障の充実は、少子高齢化の著しい大町市におきましても、例えば介護が必要な高齢者への施策の充実や子どもたちへの保育サービスなどにおけるニーズに、より細やかに対応することができるものと考えております。先ほども御答弁申し上げましたとおり、国におきましては、税率引き上げに伴う影響を緩和するため、既に国民生活や景気に対する具体的な対策を講ずるとしております。したがいまして、国に対し、今回の税率の改定そのものに反対する旨の意見書を提出するということは考えてございません。 次に、大町総合病院の経営体系をどのようにしていくかとの御質問に病院開設者の立場からお答え申し上げます。 大町病院の29年度決算において、資金不足比率が国の基準を超えたことなどにより、市民の皆様からも病院の今後に対する関心は高まっていると受けとめております。先月9日に開催されました大町病院地域懇談会におきましても、多くの出席者の皆様から、大町病院の必要性、重要性を直接お聞きし、地域になくてはならない大町病院の再生を何としても実現してほしいという強い願いをしっかり受けとめたところでございます。 議員お尋ねの経営形態の見直しにつきましては、個別外部監査の中間報告でも提案がありました、地方独立行政法人への移行が有力とされております。また、この考え方は、既に大町病院の新改革プランの中でも、最も適当な経営形態と位置づけております。現在、大町病院は、地方公営企業法の全部適用として運営しておりますので、病院事業管理者を中心に、病院を挙げて経営改善の取り組みを進めており、具体的な成果もあらわれてくる中で、まずは病院経営の黒字化を図ることにより、今後の経営形態への移行につきましても、さらに具体的な検討が可能となってくるものと考えております。今回、大町病院職員の皆さんには、病院を再生し地域医療を守り存続させようと団結し、みずからの給与を減額するという身を切る改革を断行いただいております。開設者といたしましても、病院職員のかたい意思と深い思いを重く受けとめ、その気持ちに寄り添い、同じ志を持って、できる限りの支援により開設者としての役割を積極的に果たしてまいりたいと考えております。 次に、住宅性能向上リフォーム支援事業を来年度は継続するか、また、予算規模はどのくらいかとの御質問にお答えします。 このリフォーム支援事業は、補助金交付要綱で平成29年度までの時限を切った事業としておりましたが、地球温暖化の進行が懸念される中、循環型社会の形成に寄与する住宅性能の向上を図るリフォームの需要がなお多いと判断したため、1年間の継続延長を決定し、本年度まで継続して実施しております。事業期間につきましては、この事業の目的が住宅性能の向上を図るほか、地域経済の活性化対策や定住促進対策に資する一方で、事業の財源が全て一般財源であることなどから、本来時限的な施策として実施する事業であると考えております。特に景気対策としましては、停滞する景気をてこ入れすることを目的とするものであり、カンフル剤としての役割を果たす上でも、時限的に発動する性格の事業ではあります。事業の実施状況を見ますと、予算規模3,000万円で実施した昨年度は、7月上旬に計上した予算額に達し受け付けを終了いたしましたが、同額の予算額で実施した本年度は、8月下旬まで計上しております予算額に達しなかったことなどから、住宅リフォームの需要は若干減少する傾向にあるものと考えております。本年度、市民税等を中心に税収は若干増加してきてはおりますものの、地方交付税は減収が続き、新年度ではこれに加え、熱中症対策や継続的な大町病院への支援策が予定されております。議員の御指摘にありましたが、私自身、事業を廃止するあるいは事業を縮小するということを述べたことはございません。今後、健全財政の堅持を前提として、これらさまざまな財政上の課題を見きわめ、現在作業を進めております新年度予算編成におきまして、慎重かつ適切に判断してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 病院事業管理者。     〔病院事業管理者(井上善博君)登壇〕 ◎病院事業管理者(井上善博君) 大町総合病院に関する御質問に順次お答えいたします。 最初に、長期的視点に立った経営改善が見込めるかとの御質問にお答えいたします。 本年度の医業収益は、前年度と比べ2億円ほどの増収を見込んでおります。これは、昨年度から行ってまいりました機能評価係数向上の取り組みや199床への転換などにより診療単価が上昇したものであり、優位な診療報酬は今後も継続して確保できるものと考えております。また、収益確保とあわせて、人件費抑制などのコスト削減に取り組み始めており、人員の適正化や計画的な設備投資とあわせて、長期的なコスト削減を図ってまいります。本年度中に策定いたします経営健全化計画では、短期的な改善施策と中長期的な施策をしっかりと位置づけ、実現性の高い計画としてまいります。 次に、人件費削減の対策についての御質問にお答えいたします。 今回、人件費を是正していく緊急的な措置として、職員給与費の抑制を行うことといたしました。職員労働組合とは4回の団体交渉を真剣に行い、合意に至ったものでございます。主な内容は、月に2.3%から3.8%の給与削減と、年間0.4カ月の賞与削減でございますが、このほか、休日勤務を振りかえ休日とするなどの各種手当の見直しも盛り込んでおります。 次に、個別外部監査の中間報告で提案されました地方独立行政法人への移行についての御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、独立行政法人化には、経営の黒字化や負債の処理、職員の身分変更など多くの課題があるため、まずは現体制のもとで経営改善を進めて経営の黒字化を図り、今後さらに一時借入金などの負債の解消に一定のめどが立った段階で、改めて十分検討してまいりたいと考えております。 次に、病院経営の専門家などの配置につきましての御質問にお答えいたします。 大町病院は、地方公営企業法全部適用の病院でもありますので、職員配置を含め、病院経営に関する主な業務の執行は病院事業管理者が担っております。事務職員につきましては、これまでも順次病院採用のプロパー職員に切りかえてまいりましたが、管理職につきましては、プロパー職員が育成されるまでの間、市に派遣を求めてきたところでございます。地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮し、その本来の目的である公共の福祉を増進するよう運営されなければならないという原則からも、民間の指標や病院経営に明るい職員を配置し、より柔軟な戦略により改善を進めることは大変重要であると考えております。今後、病院経営や医療事務などのノウハウを有する専門職員の採用を積極的に進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。     〔民生部長(塚田 茂君)登壇〕 ◎民生部長(塚田茂君) 私からは、地下水採取規制条例の制定についての御質問にお答えをいたします。 現在、当市の地下水の状況につきましては、平成28年4月から水位の常時監視を行っており、調査開始以来、降水量に連動したと思われる地下水位の変動はありますが、現在まで水位に大きな変化はないものと認識しております。また、地下水に関する広域的な取り組みとしまして、アルプス地域地下水保全対策協議会に参画し、一斉測水調査などを実施してきておりまして、この協議会では、昨年度より地下水保全及び涵養に関する指針の策定を進めており、本年度中には関係市町村が足並みをそろえて指針を策定し公表されることとしております。 当市の地下水の利用状況は、28年度に実施しましたアンケート調査によりますと、市内の地下水利用量は年間で約1,310万8,000立方メートル、日量では約3万6,000立方メートルとなっております。一方、日本におけます雨水による地下水の涵養量は年間400ミリメートルと言われておりますので、これを当市に当てはめますと、当市の地下水涵養量は日量で約61万立方メートルとなり、使用量はその約6%程度となりますことから、現在のところ、当市では地下水の過剰な揚水による地盤沈下や井戸の枯渇が生ずるような状況にはないものと考えております。また、当市では、豊富で清冽な地下水は、他の地域にはない産業振興の切り札であると考えており、地下水の揚水規制は現時点では考えてはおりませんが、将来に向け、地下水の利用状況を正確に把握することは必要でありますことから、届け出制度のあり方について慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 産業観光部参事。     〔産業観光部参事(小林敏文君)登壇〕 ◎産業観光部参事(小林敏文君) 私からは、工場等誘致振興条例の御質問についてお答えいたします。 初めに、正規の社員のみを対象とした条項に改めるべきではないかとのお尋ねでございます。 工場等誘致振興条例は、市の産業振興と雇用機会の拡大を図ることを目的としておりますことから、新規常用雇用を伴う設備投資に対して助成を行うものでございます。常用雇用者の定義は、雇用保険法第4条第1項に定める「被保険者として雇用される者」としており、現行制度では、雇用保険の被保険者であれば、正規、非正規を問わず対象としております。 近年、労働人口の減少や他市町村への人材の流出、業種のミスマッチなどから、労働者の確保を懸念する企業の声も聞こえてまいります。そのような中で、企業努力により時給を上げたり、パートなどでも勤務の状況や経験・能力に応じ正社員化に向けた取り組みを進めている企業もあると聞いております。働く側にとりましても、一般的には正社員として身分保障された雇用形態が望ましいこととは思いますが、一方では、みずからのライフスタイルに合わせた柔軟な雇用形態を希望される方々もおられます。そのような中で、どのような雇用形態にするかは、企業側の業務内容や経営状況などにより計画されるものであります。 工場等誘致振興条例の目的は、繰り返しになりますが、市外からの企業誘致と既存企業の育成、働く場の確保を実現し、地域を活性化していくことにあります。助成要件を正社員だけに限定するなど、立地を模索している企業に対し過度に厳しい条件を設けることは、企業の新規立地や設備投資意欲の減退や、当市への進出の足かせになるおそれもあります。ただし、平成27年3月の条例改正におきましては、市内に住所を有する正規社員が半数以上含まれる場合には助成率を100分の2加算できるように改正し、一層市内からの雇用を促進することといたしました。新規採用に当たり雇用条件が改善されることにより、市民の皆様にとりましても、正社員としての雇用が図られるよう、条例上の整備を行ったところでございます。したがいまして、当面は現行の制度により企業誘致と既存企業の育成を図り、働く場の確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、企業が撤退した場合、一定額の助成金の返還を求める条項が必要ではないかとのお尋ねでございます。 助成金の返還につきましては、工場等誘致振興条例施行規則第11条におきまして、「交付した助成金の全部又は一部を返還させることができる」と規定をしております。また、同条第2項では、条文といたしまして、「助成の対象となった家屋及び償却資産の法定耐用年数以内に助成の対象となった事業の全部又は一部を中止(撤退を含む)としたとき」としており、撤退時の対応として既に規定が設けられておりますことを御理解いただきたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 病院事務長。     〔病院事務長(勝野健一君)登壇〕 ◎病院事務長(勝野健一君) 私からは、大町病院への消費税の影響と個別外部監査に関する御質問にお答えいたします。 まず、消費税増税に伴う大町病院への影響についての御質問にお答えいたします。 消費税は、原則として最終消費者が負担するものでございますが、診療報酬や介護報酬にかかる消費税は非課税とされております。しかし、医療機関が購入する薬剤や診療材料などの消費税は、患者や保険者に転嫁できず医療機関が最終的に負担することになってしまいます。この消費税負担を補填するため、特別に診療報酬のプラス改定が行われておりますが、前回の消費税改定の補填率調査によりますと、病院全体では85%しか補填されていないことが明らかにされました。このように、診療報酬による補填が十分になされておらず、医療機関が過重な負担をしている実態がございます。消費税が10%になった場合、大町病院が負担する消費税は年間3,000万円ほどの増額となる見込みであり、経営の健全化を早期に進めなければいけない中で非常に影響が大きいものと考えております。今後、増税に伴う診療報酬改定につきまして国の動向を注視してまいりますとともに、自治体病院協議会などを通じて税率改正に見合う改定とするよう強く要望してまいります。 次に、大町病院に関する御質問のうち、個別外部監査の中間報告についての御質問に順次お答えいたします。 まず、設備投資への検討がおろそかにされたとの御指摘についてでございます。 大町病院が今まで実施してまいりました設備投資は、病院運営に必要な投資であったと考えておりますが、結果として、この投資に見合う収益確保ができなかったことは十分反省しなければならないと考えております。今後、当分の間は、必要最小限の投資にとどめますとともに、医業収支や起債償還額の動向を十分考慮し、計画的な設備投資に努めてまいります。 次、人員配置の計画はどのような計画かとの御質問にお答えいたします。 平成29年3月に策定いたしました新改革プランは、経営健全化の大きな柱として人員の適正化について計画しており、黒字化を図るとした32年度には、正規職員数が272人、常勤換算数が386人と定めており、現在もこれに向かって人員の適正化を図っております。なお、本年度では、プランで定めました人員よりもさらに削減が進んでいる状況でございます。 次に、一時借入金の返済方法についての御質問にお答えします。 一時借入金は、平成25年度決算から発生し、29年度末では14億円となっており、資金不足比率が上昇した直接的な要因となっております。一時借入金は、単年度の資金収支が黒字となることにより返済することができますが、現在年間3億5,000万円の資金収支の改善を目標として収益確保やコスト削減に取り組んでおり、現時点でも徐々に成果が出ておりますことから、今後新改革プランで定めております市費繰入金の増額は、できる限り行わない方向で病院の収支改善を図り計画的な返済に努めることにより、現時点の見通しとしましては、37年度までに一時借入金を解消していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) いろいろといっぱい答弁がありまして、頭の中に入っていませんけれども、まず、消費税の問題についてですけれども、市長の答弁では、地方税の税収はある、そういう点では歓迎すべきだと。そして、安定した社会保障への負担が重要であり、公平的に消費税に頼ることがというような答弁があったと思いますけれども、私、先ほども言いましたけれども、市民が物資の買い控えによって地域経済が冷え込めば税収は落ち込むというので、確かに5%から8%に増税された15年度決算では、前年度比0.8%、3,167万円の税収の落ち込みがあって、この理由は法人税引き下げと消費税増税の影響との、そういう説明を私は受けました。そんなところから、これは10%に引き上げたら、もっと地域の経済に影響してくるんじゃないかということで、再度市長にこの辺のところを聞きたいと思います。 それから、もう一つ、市長挨拶にありましたけれども、増税の引き上げに伴い、国は幼児教育・保育の無償化について、財源を2分の1地方負担とする構想を打ち出したと。そして、当然増税に対して国の責任で財源確保するべきだと私は思いますけれども、安倍政権は、このように無償化を前提として増税を強行して、最後には自治体に財源を押しつける、こういうやり方、これは市長の挨拶にもありましたけれども、このようなやり方を私は許せないと思いますが、いかがでしょうか。国に意見を上げていくというような、たしか挨拶であったと思います。 それから、先ほどもありましたけれども、具体的な低所得者に対する政策があるから大丈夫だと。こういうことで、私、一つずっと気になっているのが、安倍政権が今打ち出している増税対策5%還元というものです。これ、まさに場当たり的な施策と言っていいんではないかと思います。いわゆる現金以外のキャッシュレスによる決済には5%のポイントがつくというもです。現金支払いでは何の恩恵もないことになり、公平性は全く置き去りにされ、生活必需品にもかかる消費税には、所得の低いほど負担が重くなる逆進性です。その一方では、ポイントでは買い物額に比例して多くなるため、いわゆる高額品ほど有利になり、富裕層ほど恩恵があると。それに輪をかけて、そんなことで不公平な税制となると思います。経済界の意向を受けての政策と言われています。2%引き上げるのに5%の還元、こんな矛盾を含む消費税の増税はやめるべきだという声がありますけれども、市長の見解を伺いたいと思います。 それから、大町病院の問題であります。 幾つか答弁があったわけですけれども、私、うんと気になっているところがここなんですけれども、大町病院の一時借入金の問題です。これは、外部監査では違法という指摘がなされているわけです。まず、病院としては、違法との認識はあったのかどうか聞きたいと思います。 それから、市長には、違法を承知で貸出金の決裁をしていたとなれば重大な問題だと受けとめられますが、どのような対応をなされるかを伺いたいと思います。市民に対して模範を示し、法を遵守しなければならない行政が法律違反と指摘されたことは、私は大きく受けとめなくてはならないと思いますが、認識を改めて伺います。 それから、地下水条例ですけれども、隣の松川村でも地下水条例を制定しております。「先人から受け継がれたかけがえのない村民共有の財産であり、公水であるという認識に立ち、地下水を守り、生かし、地下水の枯渇を防ぎ、次世代に引き継ぐ。採取者はそれぞれの責務を果たす」と規定されております。私は、若い人たちが働く場を確保して、雇用を受け入れてくれる観点からは、重要な企業の進出として歓迎しているわけでありますけれども、先ほども部長の答弁にありましたけれども、水位の変化はない、日量使用量は1%程度だ、それで問題はないというような答弁だったと思いますけれども、公共の地下水を無秩序に取水して企業のもうけをふやすことに利用されることは、非常に疑問があるわけでありますが、この辺についてもいかがでしょうか。 それから、企業誘致条例については、若い人の雇用の場を確保するために行政ができる限りに企業を助成している条例を拡大しているということは非常に理解できます。その中でも、進出企業に対して最大3億円を助成するとした大町市の条例は、県下でも最大クラスだと私は思いますけれども、それでもなおかつ、地方への進出企業はさまざまなリスクから難しいのが実態だと思います。先ほども言われていましたけれども、しかし、いわゆる非正規雇用の社員の雇用についても助成するということは納得いかないわけであります。もし非正規の社員が企業に行きたいという場合であれば、別に助成しなくても、その人がそこへ行って受ければいいわけですから、それで企業が認めればいいわけですから、そこまで市が助成する必要はないと思っております。今まで多くの企業が非正規の従業員で条例の恩恵を受けてきました。若い人たちの就職先とした成果が余り見られていないような気がいたします。これをどのように捉えているか伺いたいと思います。 それで、2021年進出のサントリー食品、20名以上の雇用を想定していると言いますが、この辺のところは身分保障のある正規の社員となるか伺いたいと思います。 住宅リフォーム事業についても、時限的な事業であり、公平性の面からも検討する必要があると、こういう市長の答弁だったと思いますけれども、私は何回も繰り返していますけれども、補助事業の7倍の経済効果があったと。しかし、その中で市民への住宅改修を促し、市内の中小業者の仕事をふやし、経済を活性化してきたと。それで税収をふやしてきたということだと思いますけれども、先ほど市長の答弁の中では、税収はさほどふえていないというような話がありました。これは、今、ですからそういう点では新年度予算では継続するか今検討中だという答弁がありましたけれども、何としても、地域の経済を活性化するためにも、事業の継続をお願いしたいと思いますけれども、再度お伺いしたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 7点について御質問であります。まず、市長。 ◎市長(牛越徹君) 7点の再質問をいただきました。そのうち2点について、私からまず御答弁申し上げます。 まず、消費増税に伴う保育料の無償化に対する御質問でございます。 現在、国では、消費税率引き上げの来年10月1日から、保育園、認定こども園などを利用する3歳から5歳までの全ての子どもの保育料と住民税非課税世帯のゼロ歳から2歳までの子どもの保育料につきまして、これを無償化を実施するということについて検討が進められております。市としましては、保育料の無償化は、子育て世代の経済的負担の軽減が図られ、少子化対策の一助となることから期待されます反面、一方で、市の保育料収入の減収となりますことから、全国市長会では全額国において補填すべきということで、国にこれは強く申し入れしておりますが、国は一定程度の地方負担を求めており、いまだ国と地方との負担のあり方については決着しておりません。したがいまして、市の財政面にどの程度、どのような影響が生じるか不明確な状況にはあります。また、実施までの準備期間が極めて短いことや、10月からという年度中途からの制度の変更に対する保護者の皆さんへの周知などについても懸念されておりますことから、今後の国の動向について特に注視する必要があるものと考えております。強く反対してまいります。 また、もう1点の御質問であります大町病院における累積債務について、いわゆる一時借入金の年度を繰り越しての決算を打っていることについて、地方公営企業法の違反であり、違法状態というお話でございました。これは、先ほどの病院側からの御答弁にありましたように、一生懸命経営に取り組んできた中で、結果として累積債務が発生したということであります。これは、これを解決するには、一日も早い累積債務を解消すること、その前段としては、まず単年度の黒字化にこぎつけるということが必須であります。この状態を一日も早く解消しなければならないというのは御指摘のとおりでございます。 なお、地方公営企業法の条文をずっとごらんいただきますと、例えば、公営企業は、病院も含めですけれども、企業的な経営の中でいわゆる健全な経営をするということが義務づけられております。それに対しまして、公立病院として不採算の分野については国の繰り出し基準の中で繰り出しを認めているということであります。そうしますと、大町市では、地方交付税の基準財政需要額の中に算入された4億円、これは交付税が4億円来ているという意味ではありませんが、基準財政需要額の中に算入された4億円をはるかに超える、例えば、昨年度でいえば9億5,000万円もの繰り出しをしております。これもそういう意味からすれば、違法状態になります。ですから、一時的に繰出金を多く一般財政から支援することは、それ自体が違法状態でありますので、これも病院の経営を早期に健全化する中で違法状態を解消していく、もう一つの責務があると考えております。この点についても御理解をいただきたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 総務部長。 ◎総務部長(市河千春君) 私からは、国が消費税増税時の経済の冷え込みの対策の一環として現在検討を進めておりますキャッシュレスによるポイントの還元についてのお尋ねにお答えを申し上げます。 これらの施策、るるあるわけでありますが、まず、これは国の検討しているものでございますので、当市としてどのように捉えているかということについての意見をお答え申し上げます。 御質問のクレジットカード等によりますキャッシュレスによる決済にかかわりますポイントの付加につきましては、これは国内では他国と比較して大きくおくれているキャッシュレス化を前に進めていきたいという、そういう側面がまずあるというふうに聞いております。これまで国が、現在もそうでありますが、力を入れて推進しております例えばマイナンバー制度、こういったものはいまだ十分に普及はしている状況にはございませんが、一方で、ふるさと寄附、ふるさと納税につきましては、日本全国的に本来の目的を超えた形で広く普及して、地方経済にプラスの影響を与えている状況にあります。このように、国民の皆さんにとって利益やメリットが直接手元に還元されるこうした国策は、国民の皆さんに非常に浸透しやすいという面がございます。こうしたことから、現在検討されております増税時のいわゆるポイント還元につきましても、一定の成果があるものと考えております。 一方で、ポイント還元制度につきましては、高齢者を初めとして、すぐには活用できない方々がいらっしゃいます。それは、機器がスマートフォンですとかクレジットカード、こういったものがなければできない制度となりますことから、こういった面からしますと、直ちに全世代の国民が利用できない、そういった課題があると思いますので、国におきましては十分その辺を吟味されて、早期に具体的な対応について適切に対応していただきたいというふうに考えております。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) 私からは、地下水の採取規制に関して、無秩序に考えるのは疑問だということにつきましての御答弁を申し上げたいと思います。 先ほど私が御答弁申し上げましたのは、無秩序にすることをよしとしたということではございません。現在の大町市の状況から見まして、井戸の枯渇ですとか地盤沈下というものに関しての影響がある状況ではないということを申し上げたものでございます。その上で、市が進めます水ブランドの振興というような形の中で、市にとって地下水ですとか自然の水というものは非常な価値があるという中で利用していくということが大事であるという観点にもありますが、将来的に向けて、当然地下水の枯渇または地盤沈下、そういうものが発生することがいいというわけではございません。むしろ、そういうものについては避けていかなければならないということでございますので、先ほども答弁申し上げましたが、利用状況というものを正確にこれからも判断していくためのデータの収集ですとかそういうものをしながら、届け出制のあり方等につきまして検討を進めてまいりたいということでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 産業観光部参事。 ◎産業観光部参事(小林敏文君) 私からは、工場等誘致振興条例にかかわる質問にお答えさせていただきます。 まず、助成の対象とする職員を正規職員に限定すべきではないか、あるいは臨職とした場合の成果についての御質問でございます。 こうした例がございます。例えば、新しく大町に進出した企業の場合に、一定の使用期間を設けて、それから正社員として採用している企業もございます。議員おっしゃられるように、全部が正規社員として限定した場合には、こうした例の場合には助成対象のカウントから外されることもあります。それと、先ほど答弁でお答えしましたとおりに、現時点では2%ではございますが上乗せをしているということで、現行の制度で十分ではないかと考えております。と申しますのも、民間の大手調査会社の調査によりますと、正社員が不足しているというふうに答えている県内企業が、平成21年、リーマンショックの直後では10%に満たなかったものが、平成25年度の後半から40%台で、最近、一番新しいことしの7月の時点では55%の企業が人が足りないという時代でございます。したがいまして、企業のほうでも、いろいろな手厚い状況で人を集めている中で、今あえてこれを改正する必要はないんじゃないかなと考えているところでございます。 それと、もう一つの質問、サントリー食品についての正社員の採用かどうかという御質問でございます。 これにつきましては、まだ新しくできる工場の規模、人員等、特に製造部門以外での内容等が明確になっていないので、現時点では私の口からは答えられないところでございますが、ただ、他県の同じような工場の例では、そのほとんどが正規職員であるというふうにお聞きしております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(川上武君) 私からは、住宅性能向上リフォーム事業の質問についてお答えをいたします。 住宅リフォーム、これは自分の家を直すものでございまして、そこに住み続けるということの意思のあらわれでもあります。このため、定住対策に非常に効果のあるものであり、また、地域の活性化にも大きく寄与しているというふうに考えております。ただ、新年度につきましては、現在温暖化によりますエアコンの設置、これが小中学校、また、保育園等に設置を予定されておりますが、どの程度の規模になるかというものがまだはっきりしておりません。また、大町病院の、ただいまありました支援の対策、あるいは来年度は消費税も10%に上がるということでありまして、現在、健全な財政の堅持を前提といたしまして、新年度になります予算編成をしているということで調整しているところでございます。そういう状況というのも御理解願いたいと思います。 以上でございます。
    ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 3回目ですので、これで、あと2項目について聞きたいと思いますけれども、私は、公営企業法違反というふうに中間報告で個別監査委員から指摘された問題、これを今、市長は、とにかく病院収益の改善によって図っていきたいというような答弁だったと思いますけれども、これを、収益が改善するまで公営企業法違反ということでずっと続けていっていいのかという問題でありますけれども、先ほど言った、この指摘には市よりの繰入金の増額により返済するというようなことも指摘されておりますけれども、これも今、市長が言われたように、違法に当たるじゃないかという答弁だったと思うんですけれども、このままずっと認めていっていいのかなというのが、非常にこれだけ公営企業法違反というふうに指摘されているのに進めていっていいのかなというのが、これがわからないんですけれども、この辺をもう一回、市長答弁お願いしたいと思います。 それから、もう一つです。昨日の病院対策委員会の中で、職員の給料、賞与等の削減で組合と妥結した。そのことにより、年間1億4,000万円の削減になる。しかし、市派遣の職員の給料や賞与はどうなるかというような質問が出まして、公営企業会計の病院派遣職員だから一般職員、一般職員というのは病院職員ですけれども、同額の削減でやむを得ないとしたと。そういうことでしたら、そういうことで職員は納得できるのか、そしてまた、法的問題は起こらないのか、市長としてはそれでいいと考えているのか、その辺を最後に伺いたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 私からは、まず再質問のうちの最初のほうの、こうした地方公営企業法に違反する状況をこのまま続けていいのかということについてお答え申し上げます。 これは、いいわけはありません。かといって、では、一時的に大量の繰入金を一般行政から繰出金をして、それで解消するということにつきましては、これは状態とすれば地方公営企業法の理念に違反するものであります。しからば、どうするかということでいえば、まず一時的に解消するということでいえば、病院の皆さんが決意して健全経営に取り組みを始めたということからすると、いたずらに繰出金を増額することによって改革の努力に水を差すようなことになってはいけないということを考え合わせなければならないと思います。と同時に、一気に14億円を超える状態の一時借入金の繰越額を解消するというようなことは、一般財政からしても決して適切な規模ではありません。そうしたことを総体的に考え合わせながら、新改革プランに沿って進めることになりますこの健全化計画の中では、37年度までは、平成29年度新改革プランがスタートしたところから累計でいえば、毎年の金額を累計すると約80億円近い金額を繰出金として導入するということを既に内定して計画に計上しているわけでございます。こうしたことから、地道な、毎年の大町病院の努力、それを応援する一般会計からの支援、これはバランスをとりながら進めていくのが一番の常道ではないかと考えるところでございます。 なお、外部監査人の今回の中間報告の中には、この繰越金を解消するほかにも、例えば、いわゆる退職金の引き当て等については一気に総額を一般財政からの繰入金によって解消したらどうかという、そうした提案もあります。そのようなことを、それらを含めて1個ずつ検証しながら適切な支援の規模を検討し、そしてさらには、大町病院の皆さんが一生懸命取り組むその取り組みの熱意に寄り添っていきたいと考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 副市長。 ◎副市長(吉澤義雄君) 私からは、市のほうから異動で病院に行っている職員の扱いについてでございます。 市のほうから異動で行っている職員につきましては、異動する前はこちらの市職員労働組合の組合員ということですが、病院に異動になった時点で市職員労働組合を脱退し、病院職員の労働組合に加入しているということでございます。しかし、このたびの給与の削減につきましては、病院当局と病院職員の労働組合とが十分話し合いをして、その上で一定の結論が出たということでございますので、こちらから異動で行っている職員につきましても、病院職員の労働組合の組合員として、その結論には苦渋の決断をされたとは思いますが、同意をしているという理解をしております。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 残り2分37秒です。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 組合的にはそういうことでいいのかもしれませんけれども、公営企業法で派遣されて、その身分がそういう形で法的に問題がないのかという質問ですけれども、どうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 副市長。 ◎副市長(吉澤義雄君) 身分的なものといいますか、異動になった時点で、いわゆる企業職員ということになっています。したがいまして、病院の場合ですと任命権者は病院事業管理者ということになりますので、法的には問題はないと解釈しております。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 以上で平林英市議員の質問は終了いたしました。 ここで2時25分まで休憩といたします。 △休憩 午後2時08分 △再開 午後2時25分 ○議長(勝野富男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第3位、大和幸久議員の質問通告は3項目です。大和幸久議員の質問を許します。大和幸久議員。     〔5番(大和幸久君)登壇〕 ◆5番(大和幸久君) 虹と緑の会の大和幸久です。 今回の質問は、1、大町病院について、2、北アルプス国際芸術祭2020について、3、保育無償化についての3点について質問いたします。 初めに、大町総合病院について伺います。 大町病院の経営危機を乗り切るために多方面からの検討がなされております。現在の時点で課題となっている点は何か、説明ください。 これで1回目の質問を終わります。 ○議長(勝野富男君) 質問が終わりました。 大和幸久議員の質問に対する答弁を求めます。病院事業管理者。     〔病院事業管理者(井上善博君)登壇〕 ◎病院事業管理者(井上善博君) 大町総合病院の経営健全化に向けた課題についての御質問にお答えいたします。 大町病院における現時点での主な課題といたしましては、次の5点が考えられます。 まず第1点目は、単年度収支の黒字化でございます。現在、29年度決算における単年度収支をもとに改善する資金収支の目標額を3億5,000万円とし、収益増やコスト削減の具体的な内容を定め、全職員で取り組みを始めております。何としても、この目標額を達成し早期に黒字化を図ってまいりたいと考えております。 2点目は、さらなる収益増に向けた取り組みです。昨年度から収益増に向けた取り組みを進め、本年度におきましても現時点で診療単価の上昇などから一定の成果を達成しつつあります。しかしながら、今後におきましては、新たな施設基準の取得や評価係数の向上による収益増は少ないものと考えており、このため、以前にも増して内科専門医や整形外科医などの医師確保が重要であり、患者数の増加による収益確保が必要であります。また、今後、介護需要が大きく伸びることが予測され、在宅医療を初め、医療と介護の連携を充実していくことが不可欠だと考えております。 3点目は、人件費と職員数の適正化でございます。医業収益に占める人件費の割合は70%を超えており、他の病院と比べても非常に高い状況にあり、人員と人件費の適正化が不可欠であります。また、緊急的な措置として今月から職員給与費を抑制することとしたため、医師を初め、全職員のモチベーションを維持していくことが大変重要であると考えております。 4点目は、施設の老朽化です。平成6年に建設しました東病棟と昭和46年に建設しその後耐震改修を実施した西病棟は、建物を初め、設備、機械が老朽化しておりますため、改修箇所も年々増加しております。当面は必要最小限の整備にとめてまいりますが、不測の故障等への対応を常に考えていかなければならないと考えております。 5点目は、今後の経営形態への移行と経営であります。個別外部監査では、地方独立行政法人への移行が提案されておりますが、法人化に際しましては前提として経営の黒字化や負債の処理など大きな課題があります。したがって、中長期的な視点に立って、移行する時期を見定めながら検討を進めていく必要がございます。また、今後、民間の手法を取り入れた経営を行っていくことが大変重要であり、経営戦略や医療事務の知識を有する職員の採用を進めていく必要があります。 大町病院は多くの課題が山積しておりますが、今年度中に作成する経営健全化計画におきまして、こうした多くの課題を解決する方策をしっかり定め、経営に基づく取り組みを着実に実行することにより危機を乗り越えてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 再質問ありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 大町病院の開設者たる牛越市長は、経営健全化の取り組み計画の中で、年間1億4,000万円の人件費削減の計画を示しております。これを実行しようとしているわけですが、この計画実行による人材の流出などの影響評価をどのようにされてきているのか、説明いただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。病院事務長。 ◎病院事務長(勝野健一君) ただいまの御質問にお答えいたします。 1億4,000万円の人件費の削減、これは年間でございますけれども、計画を立てております。そうした中で、職員のモチベーションというのがやはり一番重要だと考えております。現在考えておりますのは、幹部職員が職員一人一人としっかり話をし理解をしていただくということを考えております。そうした中で、職員の流出ということを招かないような形で進めてまいりたいというふうに考えております。 それから、組合の中で29日に組合の妥結をしたわけでございますけれども、その翌日に出た組合通知がございます。ここの中では、自分たちの人件費を拠出することにより大北地区の地域医療を守り、その上で、公立病院である大町総合病院を守ることということを住民の皆さんに今後も訴えていきますというような組合通知が出ております。大町病院全体で組合のこういう意思も酌みながら、流出といいますか、やめる人が余り出ないように頑張ってまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 市民や病院労組関係者等からは、人員削減よりも先にやらなければならないことがたくさんあるのではないか、それをやらずに、最も禁じ手である人件費カットに手をつけるということは何事かと、厳しい指摘があります。個別外部監査結果報告も中間報告が出された現状です。経営改善も、これから最終報告が出てから手をつけるという時期に、なぜ人件費カットになるのか。私は、この人件費カットの経過については一旦撤回すべきだと思いますけれども、市長はそういう検討はなされないですか、一言見解をお願いします。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 本来、それは事業管理者のもとで整理されるべき御質問だと思いますが、私のほうからは、労使交渉によって誠心誠意意見交換した上で妥結した結果を尊重すべきと考えております。 なお、人員、いわゆる人件費の削減には2つの方法があります。一般論として、1つは、もちろん給与の適正化、もう一つは人員の削減、適正な人員への配置、しかしながら、地方公共団体におきましては身分が保障されている職員を一方的に退職させることはできません。そうしますと、やはり時間がかかりながらも、退職不補充という形で、定年退職などによってその後を補充しないことによってスリム化を図っていく、それは時間のかかる課題であります。そうした中で、今回はできるだけ近い短い期間内に何とか資金不足を解消するということから、そうした提案を病院側から労組のほうにされたというふうに理解しております。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 外部監査の中間報告で、耐震化工事など、医業収益に直接結びつかない設備投資は病院事業の業績評価に連動させないように全額を市から繰入金で賄うべきだ、余剰人員が発生したにもかかわらず人員の適正化がおくれたという指摘があります。この外部監査の観点を生かせば、私は前から主張しているように、市長部局に医療推進室を設けて、大町市から病院に派遣されている職員を、その人件費を一般会計で負担する。また、耐震化工事の償還金を一般会計で負担するなど実施すれば、大町病院会計は相当の負担の軽減になると思うんですけれども、市長はこの点、検討されたんでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 外部監査から、今、御指摘のように2点の指摘がされております。 まず、1点目は、誤解でありますが、西病棟の耐震化の計画に際しましては、病院の診療報酬から入れた、いわゆる病院の収益から入れた額はほんのわずかであります。国・県の補助金、起債、一般会計からの繰り入れ、これによってほとんどの経費が賄われております。これは外部監査の指摘について意見調整をすることを考えております。 また、2点目の病院において雇用している職員を派遣しているその人件費を、その人員について、いわゆる一般会計に所属させる職員として行えば、病院の経費が軽くなるではないか。これは、たしか外部監査の指摘には含まれていなかったと思いますが、それこそ、公営企業の経営の透明性を損なう考え方ではないか、このように思うところでございます。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 大町病院と同一規模の病院モデルと比べますと、事務部門の過剰人員は48.4人多いというような結果になります。このうち、市から派遣されている事務職員というのは、平成26年が22名で、人件費がこのとき1億3,800万円です。平成30年には10名減らして12名となっていますが、それでも7,500万円となっています。ここで言えることは、平成26年、市派遣も含めた事務職員の総数は36名ですが、平成30年は26名と10名減っております。しかし、現状では同じ仕事が維持されていると。言いかえれば、このことは、直近の5年間でも市派遣職員累計で19名分、金額で1億1,813万円余りの余剰人件費を大町病院に負担させたということになります。赤字累積の一因となってきたことも否めないところですので、市長はこうした事実について検討なんかをされてこなかったのかどうか、伺いたいと思います。 2点目は、平成30年度分でも派遣職員の12名分の人件費が7,500万円です。これと先ほどの耐震改修の費用等を一般会計負担に切りかえれば、今回削減した人件費1億4,000万円の相当部分は賄えるのではないかと思っております。このような検討をされたのかどうか、外部監査の最終結果も出されない時点で強引に人件費削減計画を出してくるということは余りにも稚拙で、到底容認できるものではありません。直ちにこの撤回をするべきだと私は思いますが、市長の見解を改めて伺っておきます。 3点目は、少なくともこういう事態に関して、全市民を対象にしたアンケート調査等を実施して、民意を酌み上げた上で大町病院の改革を市民と一緒に進めるという視点が必要かと思いますが、この点についても市長の見解を伺っておきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 何点かの御質問いただきましたが、私の職権にかかわる部分について、まずお答え申し上げます。 まず、外部監査人から外部監査の最終報告が出される前に、既に、例えば給与の削減などについて手をつけていることについての御指摘でございます。これは、一日も早く改革に取り組まなければいけないという、そうした切実の考え方の中で、既に大町病院において取り組みが進められております。それを支援するのが、私の、開設者としての役割であります。監査報告を待ってやっていいということにはならないのではないかと思います。 また、2点目、事務職員についてでございますが、事務職員の人件費を別途一般会計から支弁すべきという御指摘でございます。これは、どのような公立病院でも事務職員は必ず配置されております。それが病院で採用したプロパーの職員である場合と、プロパー化を切りかえていく過程で、現在市から病院の求めによって派遣している職員についても同じことでありますが、この事務職員、例えば総務課の職員あるいは医事課の職員、これらについては病院の収益に当然貢献している職員であり、これは別途余剰人員を送り出しているものでは全くありません。この点について病院からも御答弁があるかと思いますが、そのように御理解をいただきたいと考えております。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 病院事務長。 ◎病院事務長(勝野健一君) 私からは、人員の関係について御答弁を申し上げます。 確かに26年度以前につきましては、大分人員が多い状況でございました。これは、耐震改修がございましたり、あるいは南棟の改修でございましたりというような施設整備を大規模に行っておりましたので、大分人員が多かったということでございます。それ以後につきましては、機構改革等も行う中で事務員を減じてきたところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(井上善博君) 大町病院が大町市民に対してアンケートなどをとったかということに関してですけれども、おおよそ3年ほど前に、大町病院のあるべき姿というアンケートをとって、大町病院はどういう病院であればいいのかということをアンケート調査してあります。それから、今回のことがありまして地域懇談会を大町と白馬で開きました。皆さんがどういうふうに考えられておられるかということは調査してあります。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 一つは、病院開設者市長は、病院管理者の任命責任もあります。また、開設者という立場です。この責任というのは一番重いんですよ。それを何か他人事に答弁する、これが一番私は気に入らないということであります。もう少しその立場を判断していただきたいと思います。 すみません、時間がありませんので、最後の提案です。今までもしていますが、どういう大町病院をつくっていくかという経営ビジョンを明らかにすること。小谷村、白馬村など自治体の支援を受けられやすいように行政組合病院の検討もしてみたらどうか。岡谷市民病院のように、開設者市長のすぐ下に事業管理者を置いて、大町病院の改革に適したカリスマ経営者の招聘をすべきではないか。病院職員のスピード感を持ったプロパー化計画を着実に推進する必要があるのではないかなど、大町病院の改革を見据えた提案をして、病院の関係の質問を終わりたいと思います。 続きまして、北アルプス国際芸術祭について伺います。 既に第2回国際芸術祭に向けて事業がスタートしていますが、取り組みに当たって課題となっている点は何か、説明いただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 北アルプス国際芸術祭の開催に当たっての課題は何かとのお尋ねにお答えいたします。 先日の本定例会全員協議会におきましては、基本計画案の概要を御説明申し上げましたが、本年中に基本計画を策定し、いよいよ年明けから2020年の開催に向けて具体的な作業が本格稼働することとなります。 現時点における最も重要な課題としましては、これまでも申し上げてまいりましたとおり、芸術祭をなぜ開催するかという点について、市民の皆様に御理解いただく輪を広げ、機運の醸成を図ることであると考えております。芸術祭の開催の目的は、御案内のとおり、芸術文化の強い発信力による国内外への魅力発信と、観光誘客による交流人口の増加、そして市民の参加・協働、さらには地域の消費拡大の4つでございます。特に第1回の開催では、目的の3つ目、市民参加・協働の面からは、参加機会の広がりが限定的であったことや、現代アートに対するなじみの薄さなどもあり、まだまだ多くの市民の皆様に広く関心を持っていただくことができなかったと考えております。また、作品が設置された地域の皆様と設置されなかった地域の住民の皆様では関心の度合いが大きく異なっていたことも浮き彫りとなりました。前回の経験から、多くの言葉を要しても、また、写真や映像の力をかりたとしても、実際に体験し体感していただくことにまさるものはないと考えるところでございます。 そこで、市民、地域住民の皆様に関心を寄せていただき、ともにつくり上げていくものとしていくためには、説明会や広報によるだけでなく、現地視察やワークショップ、プレイベントなど実体験を伴う取り組みを積極的に進めるとともに、今後、詳細を詰めてまいります作品設置場所の配置につきましても、ディレクターや作家との協議を進める中で、熱意ある地域の皆様と意見交換をしていきたいと考えております。 芸術祭の運営に関する主な課題としましては、1つ目は、北アルプス国際芸術祭を確固たるブランドに高めていくためには積極的なブランディングマネジメントが重要であり、戦略的に進める上で全体の調整を担当するデザイナーの登用について検討すること、また、2つ目には、インバウンド対策として、特にアジア圏からの誘客の強化を図るための旅行エージェント等への積極的なアプローチを進めること、さらに、3つ目としまして、新規開拓を含めた企業等からの協賛・支援を強化し資金調達の充実を図ることが挙げられます。これに加え、2020年の同じ年に開催されます東京オリンピックなどに埋もれることのないよう、効果的な広報・PRを行うことなどであります。また、そのほかにも、市内さまざまな団体等との連携や食の取り組み、ワークショップなどを通じた小中学校との連携、ボランティアサポーターの受け入れ体制の整備など、準備すべき事項や解決しなければならない多くの課題があるものと認識しております。当然のことながら、これら全ての事柄を実行委員会のみで解決することは困難でありますので、多くの関係団体や、ともに活動いただける市民の皆様との連携と協力のもとで進めていく必要があります。そのため、あらゆる機会を捉えてさまざまな分野の皆様との意見交換を進め意見の集約を図るとともに、きめ細かな情報提供に努め、課題解決に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 私が課題と思われる点について、二、三点質問したいと思います。 初めに、2020年国際芸術祭に向けた基本計画概要案が公表されました。総事業費2億8,700万円、収入は、市の負担金1億8,000万円とパスポート販売等1億700万円、支出は、ディレクター作品制作費、作品維持費で1億8,700万円などとなっております。そこで、作品制作費の内訳を質問しますと、第1回芸術祭の数値をもとに積み上げた概算なので内容は説明できないと答弁を拒否されました。それでは、これに先立ち開かれた基本計画策定検討会及び実行委員会企画運営会議でも、市民や議会に説明できない数値を積み上げて、この基本計画概要を作成したのでしょうか。この点について説明いただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部参事。 ◎総務部参事(和田泰典君) ただいまの御質問にお答えいたします。 まず初めに基本計画ですけれども、こちらのほうは、第2回2020年開催の芸術祭に向けまして、どのようなテーマで、どういった形で芸術祭を進めるかという部分の基本計画の部分を策定するものであります。 それで、事業費の形ですけれども、事業費につきましても、基本的に先ほど議員の御質問の中にもありましたが、前回の事業費を参考として積み上げたものということで、全員協議会でもお示ししましたのは現時点の案ということでございます。事業内容や事業費を含めました基本計画が正式に決定となるのは、実行委員会の総会において承認、議決されてからという形になります。収入につきましては、国・県からの補助金ですとか企業からの協賛金、寄附金、また、パスポートの販売やグッズの販売等の事業収入、そういうのを総じて事業費の収入というふうな形で考えております。また、支出につきましても、作品の制作やディレクター費などのアートプロジェクト費、また、パンフレットやチラシ、ホームページ、メディアへの情報掲載など広報の宣伝費、さらに、サポーターの宿舎ですとか管理費用の活動費、二次交通やグッズの製作など、そういった運用費用を含めて支出という形になります。基本計画が決定になりまして、その後、各事業の詳細を検討しまして決定していく中で、費用については確定していくというふうな形になると思います。基本的には、基本計画に載せる事業費につきましては、前回の決算ベースをもとに必要と思ったもの、反省点を踏まえた上で修正を加えた上で事業費の積み上げを行っているということで御理解いただければと思います。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) そういう概算の数値で協議会等の決定がされていると。これは見直しをしないということなんですね。 ○議長(勝野富男君) 総務部参事。 ◎総務部参事(和田泰典君) ただいまの御質問にお答えします。 先ほど答弁しましたとおり、事業の概算について総事業費の大枠の枠という形で積み上げを行ったものであります。修正するしないにつきましては、前回もそうだったんですけれども、当初決められた事業費の中でパスポートが足りなくて追加販売したりですとか、広報、二次交通のバスが足りなくて追加で発注したりという形の中で、決められた中で収入と収支のバランスを見ながら事業費というのは動くものであるというふうに考えております。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 計画は計画で、その積算根拠をきちんと説明いただかなければだめなんですよ。それができないんだったら、今後、できた次第で速やかに実行するということはやっていただけますか。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 議員お尋ねの国際芸術祭のいわゆる概算事業費、これは平成31年及び32年、2カ年にわたる計画であります。現在、例えば大町市の予算につきましては、平成31年度に向けて要求を上げ、そして査定にかかるところでありまして、それと同じように、現在の時点ではまだまだ具体的な数字をお示しする段階にはないことは御理解いただけると思うんですが、それと同様に、市の予算と連動しながら、第三者の機関であります、団体であります実行委員会における事業費については、実行委員会の中でこれから順次内容も精査し、また、実行委員会の内部手続を経てきちんと計画が取りまとめられたところで公表し、そして、その中で市の予算に関連する部分については議会でも御審議いただく、このようなプロセスを踏んでまいりたいと思いますので、御理解のほどお願い申し上げます。 以上です。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 説明もできないような計画費を出すのは、まず間違いだと思います。確定した上で、きちんとやるように再度要望しておきます。 続きまして、第1回芸術祭、27年度負担金800万円、28年度負担金1億1,000万円、29年度負担金8,300万円について、実行委員会牛越徹実行委員長から、大町市長に対して事業の完了実績報告書が提出されていません。なぜ提出されていないのか市長の説明をいただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 総務部参事。 ◎総務部参事(和田泰典君) ただいまの御質問にお答えします。 こちらのほうの市から実行委員会に出しましたものにつきましては、負担金として支出しておりますので、負担金の手続にのって処理をしております。そのため、実績報告というのは提出されていないという形であります。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 負担金だと実績報告を出さなくていいという法的根拠はどこにありますか、説明ください。 ○議長(勝野富男君) 総務部参事。 ◎総務部参事(和田泰典君) こちらの負担金のことにつきましては、ただいま係争中ですので、詳細についてはお答えは差し控えさせていただきますが、基本的に負担金という形のものであれば、市の財務規則にのっとって実績報告的なものは提出の必要がないというふうに認識しております。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) これは、実際には事業を完了していないんですよね。どんな手続、例えばそちらで主張している民法上の贈与ですか、これについても、それでやったとしても、当然これは実行委員会から大町市に対しては、それなりの報告書は出てしかるべき、これがなくていいなんていう法的根拠はどこにもないんですよ。その点はよく精査して、わかった時点でまた回答いただきたいと思います。いかがでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 総務部参事。 ◎総務部参事(和田泰典君) ただいまの御質問にお答えします。 先ほど答弁したとおりでございます。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 続きまして、保育無償化について伺いたいと思います。 国は、幼児教育・保育の無償化を来年度から実施するとしていますが、この実施に当たって課題となる点は何か、説明いただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 幼児教育・保育の無償化の課題は何かとのお尋ねにお答えします。 国は、消費税引き上げの来年10月1日から子ども・子育て支援制度の対象となる保育園や幼稚園、認定こども園を利用する3歳から5歳までの全ての子ども及び非課税世帯のゼロ歳から2歳までの子どもの保育料を無償化するとして、現在、制度の見直しについて検討が進められております。全国市長会では、7月11日に緊急決議を行い、国に対しまして無償化に伴い必要な財源については全額国費で確保することなど4項目にわたり要望し、さらに、先月15日には緊急アピールを採択し、再度国による財源の負担とともに、幅広い保育人材の確保と具体的な方針の早期の提示などについて強く求めたところでございます。 また、県市長会におきましても、先月22日に開催された市長会と知事との懇談会の議題として、幼児教育・保育について質の確保を含め、人材の育成等について県と連携して国へ働きかけることを協議いたしました。現時点では、国は相当額の地方負担を求めておりますが、国と地方の負担が定まっておらず、具体的に市の財政面への影響が把握できないことや、実施までの期間が短く、国費の給付に係る自治体におけるシステムの整備や保護者への周知期間が十分確保できないこと、さらには無償化により保護者の負担感が軽減され、3歳未満児の入園希望が急増した場合の安定した受け皿の確保が課題であると考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 2015年4月からスタートした子ども・子育て支援制度、これ、以下新制度と略しますけれども、これは3つの特徴があります。第1点目は、リーマンショック後の世界的な不景気の中で、企業の要請に応えて当時の民主党政権が景気対策の一環として、公的に運営されている保育園、幼稚園、学童保育を収益を上げる対象にするために、サービス業として位置づけたというのがそもそもの始まりであります。2点目は、幼稚園は過剰、保育園は不況という中で、縦割り行政をなくして、莫大な予算を使わずに保育所不足を解消したい、これが動機でありました。3点目は、この新制度の財源が消費税ということであります。新制度で新たに必要となる財源は、社会全体で負担するのが当たり前のことですが、これに不況を理由に企業が反対しました。その結果、結局自民党・公明党・民主党の3党合意で、新制度の新たに必要となる財源は消費税の値上げで実行すること、消費税の値上げで国民が負担することにしてしまいました。 このように、この新制度の入り口は経済対策で、出口は消費税の引き上げであり、入り口、出口とも保育や幼児教育ではないというのが特徴であります。ここに新制度の本質が端的に表現されており、それがゆえの問題点が指摘されております。 そこで、質問したいと思います。低所得者ほど負担が重くなる消費税を財源にすることで、市民や保護者にどのような問題が生じるか説明いただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) ただいまの御質問にお答えいたします。 国は、社会保障の充実・安定化と、そのための安定財源確保と財政健全化のため、社会保障と税の一体改革を行い、消費税率の引き上げによる増収分を全て社会保障に充て、全ての世代が安心して生活できる社会をつくるとしております。全国に先駆け、少子高齢化が著しい当市におきましては、この改革により現役世代の負担の軽減を図り、少子高齢化を社会全体で支えるための新たな仕組みという点に期待する反面、地域経済の動向等についてはこれを注意深く注視していく必要があるものと考えております。こうした中、保育の無償化が消費税率引き上げと同時に実施され、保護者にとりましては、所得水準にかかわらず一律に経済負担の軽減が図られることになります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 社会保障の財源を消費税とリンクさせると、保育の充実や無償化を進めようとすると消費税を上げなければいけなくなります。税には、ほかに法人税、所得税など多くあります。空前の利益を上げているグローバル企業の利益の一部や防衛費の一部を取り崩すだけで、約8,000億円とされる財源は十分に確保できるはずです。消費税を財源とする国の方針の撤回を求めるべきと思います。ぜひ市長には、市長会等で国に声を上げていただきたいと思うんですが、この点、市長の見解はどうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 消費税を財源とする国の方針の撤回を求めるべきとの御質問でございます。 国における社会保障と税の一体改革において、消費税率の引き上げ分により社会保障費を賄う背景には、急激に進む人口減少や少子高齢化により、現役世代への負担が今後さらに重くなっていくことが大きな課題となっております。そうした中、国は、景気や人口構成などによる影響が比較的少なく、働く世代など特定の世代に負担が集中することのない消費税を財源とし、少子化対策として打ち出された政策であります。少子化が全国的な最重要課題となっている中、こうした取り組みが真に子ども人口の増加の後押しとなりますとともに、地域の活性化につながることを期待するところでございます。 したがいまして、これは先ほど平林議員の御質問にもお答えしましたように、消費税率の値上げあるいは消費税率の値上げ分をもって、その一部を子ども・子育ての課題に対応することについて反対することについては、差し控えさせていただきたいと考えているところでございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) ここについては後であれです。 もう1点、無償化の恩恵というのは、実際には所得が高いほど大きくなるという点についても問題点が指摘されています。この点についてはどのような見解かお答えください。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) 無償化の恩恵について、所得が高いほど大きくなるということについての見解でございますが、現在保育料につきましては、保護者等の所得に応じ決定される仕組みとなってございます。議員御指摘のとおり、現在国が進めておりますプランでは、3歳から5歳児については一律に無償化されるため、所得の高い世帯ほどその影響額は大きくなります。 なお、ゼロ歳児から2歳児、いわゆる3歳未満児の保育料の無償化につきましては、住民税の非課税世帯のみを対象として実施される予定でありますことから、3歳未満児に関しましては所得水準に応じ軽減が図られるということになります。このように、所得の違いによって受ける恩恵に違いがありますものの、子育て世帯の皆様の負担の軽減がこれにより大きく図られるということが重要であると考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) この問題については、保育料は所得に応じて納める応能負担、今言ったとおりですが、これを無償化しますと、所得が高いほど恩恵が大きくなります。例えば、世帯年収が800万円の場合、無料になる年間保育料は69万6,000円です。このうち、この年収の80%を消費する場合、消費税2%増税分の負担額は16万8,000円で、差し引き56万8,000円が負担減になるという試算になります。また同様に、年収400万円世帯では、無料になる保育料は32万4,000円、年収の90%消費、2%増税分が7万2,000円ですので、差し引き25万2,000円の負担減となります。こういった大きな矛盾があります。この点についても、ぜひ、今回の実施は大きな問題があります。市長につきましては、全国市長会等を通じて、国にこういった格差の是正、要望していただきたいと思うんですが、市長の見解を伺っておきます。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 保育料の無償化の恩恵についてでございますが、議員御指摘のとおり、現在の保育料は保護者の所得に応じて金額が定められ負担いただく応能負担となっております。先ほども御答弁申し上げましたが、所得水準の高い世帯ほど、無償化となった際の影響額は大きくなりますが、一方で、消費税の増税分は保育の無償化の財源のみに充てられるものではなく、年金、医療、介護といった社会保障全般の財源とされますことから、個々の家庭が受ける恩恵を保育料の減免の金額だけで比較することはできないものと考えております。 なお、国が少子化対策の柱としております保育の無償化が実施されることにより、当市におきましても子育て世代の負担軽減が図られ、結果として市の人口対策あるいは少子化対策の一助となることも期待されるところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 私は、このゆがみを正さないと、これ、正しい幼児無償化政策にならないと、このことを言っているわけでして、その点について何の問題もないという市長の見解なんでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 例えば、現在高い負担をしている人が軽くなることによって、それは大きく社会の平等を欠くかということでいえばそのとおりでありますが、しかしながら、今回の税率改正に伴う恩恵というのは、子育て支援に限らず、介護、年金、さまざまな分野に広がります。そうすると、それぞれの分野ごとに比較検討した場合に、大体イーブンになるのではないかというのが私の考え方であります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 明らかにその考え方は間違いだと思います。また、来年3月以降、来年度の予算編成に向けてぜひ検討されて、必要な分については国に意見を上げていただきたいということを要請しておきたいと思います。 次の質問に移ります。今回の無償化が実行されますと、従来の保険料減免分が不要となります。29年度でその額はどの程度になるんでしょうか、説明ください。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) ただいまの御質問にお答えいたします。 当市の保育料は、国の示す基準に対しまして、市独自の施策としまして保護者負担を軽減した額を設定しております。この軽減額を昨年度の決算額において算定いたしますと、国の基準額、約1億6,000万円に対しまして、約7,200万円程度の軽減となります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) これが、無料化が実行されますと、今まで予定したこの予算というのが浮いてくるという計算になります。そのままにしておきますと、こういった浮いた財源はほかの一般会計の中でどんどん流用されてしまいます。ぜひ、せっかく今まで子育て用の財源に充ててきたわけですので、子育て支援策、保育士や臨時職員等の待遇改善等に優先的に使用していただきたい、こういうふうに思うわけですけれども、こういった点について市長の見解を伺っておきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) ただいまの御質問にお答えいたします。 先ほどの市長の答弁にもありましたとおり、現在無償化に伴います財源や国と地方との負担のあり方について結論が出ておりませんことから、無償化によります市財政への影響額も不明確な状況にあります。こうした中、議員御指摘の子育て支援課が所管する施設職員の待遇改善や子どもの健全育成及び保護者が抱える不安の解消のための施策の充実につきましては、無償化による財源の影響とは切り離し、それぞれ適切に対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 特に子育て関係の保育士や臨時職員等、給食調理員や児童クラブ支援員、この待遇改善というのは従前から私も指摘をしてきているんですけれども、一向に改善が見られていない。来年度予算の中では、大町市の子育て支援の充実のために待ったなしで実行されなければいけないときに来ていると思います。中途半端から来年実施される無償化の取り組み、非常に予算立ての上でも苦労はされると思うんですけれども、基本的にそういった点だけはきちんと充実させるという観点をしっかり持っていただいて、来年度の予算編成に取り組んでいただきたいと思うんですが、市長、再度その点どうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。
    ◎民生部長(塚田茂君) ただいまの御質問にお答えいたします。 保育園または児童クラブの職員の待遇改善につきまして、議員おっしゃるとおり、今までも私どもも改善に努めてきております。そういった中で、来年度予算につきましてもしっかりと中身を検討しながら待遇改善に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 次の質問に移りたいと思います。 大町市では、私立幼稚園の認定こども園化が進んでおります。この取り組みについてどのような課題があると認識しているか説明いただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) ただいまの御質問にお答えいたします。 認定こども園化が進む中での課題でございますが、平成27年度からの新たな子ども・子育て支援制度の施行に合わせまして、市内の3つの幼稚園のうち、大町幼稚園、こまくさ幼稚園は既に認定こども園へ移行し、りんどう幼稚園につきましては新制度に対応する幼稚園として現在運営がされておりますが、来年度からは認定こども園へ移行する計画とされております。新制度施行後の認定こども園の園児数は年々増加し、本年度は定員に対し95%程度の利用率となっております。新制度施行前に比べ、安定した施設運営がそれによって行われております。 こうした中、認定こども園化が進められることによりまして、課題として考えられますことは、当市の子どもの人口が減少傾向にあり、認定こども園に限らず、いずれの施設でも安定した園児数の確保が保証されるものではないこと、また、需要に応じて保育士の確保も市の保育園と同様に厳しい状況が続く中、将来にわたり安定的な運営体制が確保できるかなどの点が挙げられるところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) この新制度では、児童福祉法第24条の2項がつけ加えられました。このつけ加えの国の目的は何か、残された24条1項との比較で説明いただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) ただいまの御質問にお答えいたします。 児童福祉法第24条第1項には、保育に欠ける要件として、「保護者の労働又は疾病、その他の事由」と規定されており、保育を必要とする児童に対しまして保育所において保育する市町村の責務を規定したものでございます。これに対し第2項は、市町村が保育の必要な児童に対し、認定こども園等、ニーズに応じた施設において確実に保育を受けることができるよう必要な措置を講ずることとされ、市町村が保育関連事業の連携や調整を図ることなど、地域の実情に応じた体制整備を行う責務を規定しているものであります。国では、待機児童対策として保育の受け皿を拡充するため、幼稚園の認定こども園の移行を促進し、待機児童の解消を図るためのものとして新たに家庭的保育事業を創造したものでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 今の説明にありますように、児童福祉法第24条1項は、従来の保育園の運営に基づく法律ですけれども、「市町村は、保育を必要とする児童を保育所において保育しなければならない」と言っています。一方、認定こども園、地域型保育事業を対象とした同24条2項は、「市町村は、必要な保育を確保するための措置を講じなければならない」となっており、1項では保育を実施しなければならないという義務規定になっているのに対し、2項では市町村の役割が保育を実施することから、保育を実施する事業者の確保に大きく変わっており、直接保育を実施する義務がなくなった、この点が大きな特徴になっております。この変化について、どのような影響が出るというふうに見ているのか、市長の見解を伺いたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 児童福祉法における市町村の役割についてでございますが、児童福祉法第24条の第2項のほうでは、従来の保育の実施に加え、保育が必要な全ての児童に対し、市町村が認定こども園または家庭的保育事業等により必要な保育を確保する責務を規定したものでございます。これに合わせ、子ども・子育て支援法が施行されたことにより、市町村では、子育て支援制度の実施主体となって、5カ年間を期間とする事業計画を策定し、計画的な保育環境の整備を進めることが義務づけられたところでございます。 大町市としましても、必要な保育の量を確保していくため、大町市子ども・子育て支援事業計画を策定し、これに基づき、公立・私立を含め、さまざまな保育関連事業の必要量の確保に取り組んでおります。こうした取り組みにより、大町市におきましては、保育に私立の施設の参入があり、各施設とも利用者の増加が見られております。これは、保育を必要とする児童の保護者の中に幼児教育に対する要望が根強く、認定こども園という選択肢がふえたことによるものと認識いたしております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) この新制度では、認定こども園、地域型保育事業というのは、入所の申し込み、契約、保育料の支払いなどは、利用する保護者と施設が大町市を介さず直接行う直接契約制度になります。もともと国は保育所を含めて直接契約に全て変える予定でしたけれども、保育関係者の反対が強く、保育所は第1項に位置づけざるを得なくなって、引き続き実施責任を持つことになり、実施責任がない2項と併存する形ということになっております。第2項に基づく認定こども園などは研修会を受けただけで職員採用が可能になるなど、企業参入を容易にする規制緩和が図られております。保育の質の低下が今後懸念されます。多くの保護者が、地方自治体である行政が責任を持って実施する保育園の利用を望んでいると思いますが、市長はこの点についてどのような見解か伺いたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) 認定こども園における保育の質についての御質問にお答えいたします。 子ども・子育て新制度において、認定こども園に移行する際には、市の意見書を添え、県の認定を受ける必要がございます。また、認定に当たりましては、保育室等の面積基準や保育士等職員の配置基準を満たす必要があり、県の認定を受けた後も、県が毎年行う施設運営にかかわる検査を受ける必要がございます。 市内の幼稚園、認定こども園では、子ども・子育て支援新制度移行後、各園とも園児数が増加傾向にあり、長年にわたり地域の子育て支援の一翼を担っております施設が、引き続き市民の皆様の期待に応え円滑に運営されますよう、市といたしましても、各園との連絡会を定期的に開催し、状況の把握に努めているところでございます。また、公立保育園の利用を望む保護者に対しましても、その期待に応えられますよう、受け入れ体制の確保並びに施設機能の充実など、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 一番、行政の保育所を利用している人たち、認定こども園に対して懸念を持っているのは、最初はいいけれども、いずれこういう質の低下が起こるのではないか、それを行政としてどういうふうにカバーできるのか、この辺の保証というか、説明を求めているわけです。この点については、現在検討されていることがあれば説明いただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) ただいまの御質問にお答えいたします。 現在検討しているかということでございますが、現在実際に行っていることとしましては、保育の事業者、いわゆる公立・私立の保育園の連絡会議というものを、この新制度発足と同時に発足させておりまして、それによりまして情報の共有ですとか、そのようなものに関しての質の維持を図っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) やはり公立、1項に基づく自治体保育園がきちんとした保育をすることで、そういった質の低下というのも防げると思います。そういった意味でも、現在の保育所の運営というのを、より市民のニーズに応えた保育所運営をしていくということが非常に大事になるかと思いますが、その点についてはどうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) ただいまの御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、いわゆる自治体の責務として保育所の運営をしておるわけでございますので、地域の子どもたちによりよい保育サービスが提供できるよう、市としまして精いっぱいの努力をしてまいる所存でございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) ぜひお願いします。 次の質問に移ります。今回の保育無料化で利用希望者の増加が見込まれます。この対応策をどう考えているか説明いただきたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) ただいまの御質問にお答えいたします。 無償化に伴いまして利用者が増加した場合の対策でございますが、子育て世代の皆様の負担が軽減され、結果として、保育園、認定こども園ともに利用者数及び既に利用されております方の利用時間や預かり時間が増加するということが予想されます。こうした状況への対応策としましては、安定した受け皿づくりを進めるという観点から、保育士を確保するための取り組みの強化が必要であると考えております。保育士の確保につきましては、厳しい状況が続く中、より実効性のある具体的な対応策について早急に検討を進める必要があるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 来年度に向けては非常に時間もない中で対応しなきゃいけないということで、予算編成など非常に苦慮する状態が予想されます。しかも、来年の中途半端な10月実施ということになると、これまたどうやるのかという、行政の担当者、特に大変だと思います。 そういう中で私は、大変ですが、将来の大町市の子育てビジョンというのもきちんと検討して市民に示していく必要があるかと思うんですけれども、どうでしょうか。すぐにやれとは言いませんが、ぜひ市民も交えて、利用者、保護者も交えたビジョン作成というのを必要かと思うんですけれども、市長、この辺についてはどうでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 議員からは、これは今後の大町市の子ども・子育てについてのビジョンを示せという御提案をいただいております。先ほども御答弁申し上げましたように、市内の子育て支援そのものにつきましては、子ども・子育て支援事業計画を委員会を設けてきちっと検討し策定していく、そうしたプロセスがあるわけでございますが、これを軸として考えていかなければならないと考えております。 また、少人数保育につきましては、少子化の進行によりまして保育園の園児数は3歳未満児以外は減少傾向にあり、保育園の規模も年々小規模化しております。こうした中、例えばかえで保育園の休園を機に、本年度から保育園の適正規模や適正配置について検討するため、保育所等あり方検討委員会を開催し、意見交換を進めてまいりましたが、小規模な保育園ほど、地域の皆様とのかかわりが深く、地域に密着した運営がされ、地域の心のよりどころにもなっております。こうしたかえで保育園の休園の例を頭に置きながら、今後施設のあり方を検討する際には、効率のみを重視するのではなく、地域の意見もしっかり伺いながら、市民の皆さんの参画のもとで慎重に検討する必要があるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) 今の答弁にありましたように、大町市の審議会等、参加して聞かせていただいても、地域の利用者、保護者、地域の住民の皆さんは、少人数保育のよさとか地域のかかわりというのを非常に評価されております。これから人口減少時代の大町市のまちづくりの中で、そういった声を大事にしながら、効率性だけを求めるじゃなくて、地域づくりのために総合的な観点から保育園を基軸にしたような地域のまちづくり、こういった視点が非常に大事であるし、市民からはそういった要望が強くなっていると思います。そういった視点を生かしながら、ぜひそういったよさを生かした、本当に地域の住民がこれからも住んでいけるというような確信になるようなまちづくりを基本にぜひ検討していただきたいと思います。 それにつきましても、かえで保育園につきましては、地域の要望も強い、利用者の強い要望もあります。少人数ということではなくて、直ちに現地での建てかえをして再開を目指してほしいと私は思っておりますけれども、市長は、この点についてはどんなお考えでしょうか、見解を伺いたいと思います。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) まず、少人数の保育につきましては、非常に大きな効果があることは間違いございません。ただ、一方で、これは義務教育の特に初期段階においても同じことが言えるんですが、少人数によって、一人一人に目の行き届くいい保育あるいは教育につながるのは事実でありますが、一方で、集団として一定のまとまりの中で子どもがさまざまな経験をし、対人関係の中で学び育っていくことも大きな要素であります。その場合、少人数が一方的にいいかというと、メリット、デメリット両方あることについては、私どもも十分認識してまいりたいと考えております。 そこで、かえで保育園の再開についてのお尋ねでございます。老朽化が課題となっておりますかえで保育園につきましては、本年4月から休園することとなりました。休園に至るまでの間、保護者や地域の皆様と私自身も出席して懇談会を行いながら、この存続を願う多くの御意見を伺ったところでございます。本年6月から保育所等あり方検討委員会を立ち上げ、かえで保育園や私立幼稚園、認定こども園を含めた教育・保育施設の適正な配置、あるいは適正な規模等について検討を進めてまいりました。この会議では、少子化の進行に伴い、市全体の保育園の園児数がどこも減少傾向にある中、財政面や効率面を重視して施設の整理統合が必要であるという意見や、かえで保育園の存続を求める地域や保護者への配慮が必要という意見が出され、現在のところ、委員会として具体的な方針を決定するには至っておりません。今後、子ども・子育て審議会におきまして、保育所等のあり方検討委員会で出されました御意見を参考に、なお議論を深めてまいりたいと考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 残り1分25秒です。大和幸久議員。 ◆5番(大和幸久君) かえで保育園については、地域の住民の皆さん、保護者の皆さん、要望にぜひ応える施策をお願いしたいと思います。 こういう中で、例えば八坂のたけのこ保育園ですか、みあさ保育園等、たしか少人数でも集団が必要なときは、また考え方によって、ほかの園との共同の事業をやるとか、幾らでも集団性を養うことは工夫次第で可能なわけです。これから人口減少考えたときに、そんな大規模化というのは、これからのまちづくりには適さない、適していないと私は思っております。ぜひ工夫を生かせば、集団化がどうしても必要、大規模化でなきゃいけないという根拠はないと思うんです。大町市が独自にそういった点で新しい保育というものを他地域に先駆けて実践していく、こういうことも非常にこれからは求められると思います。ぜひそういった創意工夫を生かした保育行政の進展、発展をぜひ市長にお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(勝野富男君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 議員から、今回保育園のあり方を通じて、さまざまな観点から御質問をいただきましたが、まず公共施設全般については、効率的な運営によって、過重ないわゆる住民負担、税の負担を解消していくというのも一つの流れのテーマであります。そうした中で、保育というのは、先ほど答弁申し上げましたように、効率化、効率性だけを重視していくものでは決してないと考える中で、規模の適正化、これは決して大規模化を目指すものではありません。かえって、小規模化によって発生する数々の課題などについても十分目配りをしながら、適正な規模に持っていくというのも行政の大きな流れでありますし、また目指すところであります。そういった観点を総合的に考えながら、しっかりとした結論を見出していきたい、このように考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) よろしいですか。以上で大和幸久議員の質問は終了いたしました。 ここで3時45分まで休憩といたします。 △休憩 午後3時28分 △再開 午後3時45分 ○議長(勝野富男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第4位、栗林学議員の質問通告は2項目です。栗林学議員の質問を許します。栗林学議員。     〔4番(栗林 学君)登壇〕 ◆4番(栗林学君) 虹と緑の会の栗林学です。 今回の質問は、1、自然環境について、2、住宅の耐震診断・耐震改修補助金についての2点です。 大町市の自然を生かした地域資源には、地域の特産物や観光資源等があります。大町市の地域資源といえば、やっぱり水ではないでしょうか。水は、生物にとって生きるためには欠かせないものです。また、バーチャルウオーターという概念においてでは、食料、衣料品、工業製品にも水が使われており、水はあらゆるものにかかわっていることがわかります。 世界に目を向けると深刻なのは、飲み水の問題です。安全な飲料水にアクセスできない人が世界で9億人弱もいます。ここでいうアクセスとは、WHOが1キロ以内に1人1日20リットルの水を確保できる場所があるという定義したものです。安全に管理された飲料水サービスを受けられない人々は、さらに21億人を上回るそうです。水を考えると、大町市は水に恵まれ過ぎていると思います。その豊富な特性を十分に生かし切れておらず、まだ活用があるのではと考えられます。 また、2015年に国連で持続可能な開発サミットで宣言されたメッセージがSDGsです。電通がSDGsに関する生活者調査を実施した結果、認知度は15%ですが、テーマを示した上での共感度の平均は73%と高く、理解が進めば今後のアクションにつながる可能性があるとあります。日本も取り組みを始めていますが、実際にこれが何のことか具体的なものが見えてきません。周知するための環境整備と呼びかけをしていくことが、今後の行政の役割と考えます。 また、資源に対してかかわる課がどのように協力できるかも課題だと思います。持続可能となるような地域資源の活用ができないかと考え、地域資源の保全に力を入れられないのか伺います。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(勝野富男君) 質問が終わりました。 栗林学議員の質問に対する答弁を求めます。産業観光部長。     〔産業観光部長(竹村静哉君)登壇〕 ◎産業観光部長(竹村静哉君) 私からは、当市の自然環境を語る上で、水は貴重な地域資源であり、その地域資源の保全に力を注ぐべきではないかとのお尋ねにお答えいたします。 信濃大町ブランド基本戦略を構成する分野別ブランド化戦略では、冒頭に自然、景観資源のブランド化を掲げ、市民が信濃大町の自然の魅力を改めて見直すとともに、守り育て上げることによって、山岳文化都市の発展と創造を目指すことを目標としており、その中でも、豊かな自然環境の保護・保全に努めることを初め、森林の保全と活用、市民に環境保全活動につながる学習機会の提供などを重点施策としております。 現在、ブランド戦略推進委員会では、戦略の進捗状況を検証するため、関係課での具体的な施策や事業の進捗状況を把握する事業評価を実施しております。このうち、自然環境の保全・活用に関する事業の担当課であります生活環境課からは、自治会等における河川などへのごみの不法投棄防止活動や中学校における河川敷の清掃活動などの報告を、また、山岳博物館からは、ニホンライチョウの飼育と繁殖、カクネ里氷河の総合調査などの研究を進めるなど、市民の環境保全活動につながる学習や機会を提供する重点施策に基づく事業を展開していることが報告されております。推進委員会からの、この継続性が求められ一見地味とも受け取られる取り組みは、長い目で見ると、必ず大きな効果につながる事業との評価をいただいております。 今後も、市の貴重な地域資源の保護・保全に対しましては、関係部署との連携のもとで、地域全体で実践できる仕組みづくりと信濃大町の水のブランド力を高めることで、大町の宝である水を守りたいという市民の気持ちの醸成につなげてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 信濃大町ブランド戦略には、弱みとして、名水百選などのブランドがないとあります。名水百選が意味する名水は、保全状況がよく、地域住民など、保全活動を行っているというもので、水のおいしさが選定基準になっているわけではなく、選定基準が指し示すように、名水百選に選ばれている名水の中には、飲む前には煮沸が必要だったり飲用不可だったりするものもあります。名水百選には湧水も多く選ばれていますが、そのほかにも河川や地下水、用水、自噴水からも選ばれています。 選定方法及び選定に際しての評価事項は、1、水質と水量、2、周辺環境の状況(周辺の生態系や保全のための配慮など)、3、親水性・近づきやすさ(水への近づきやすさや安全性を重視)、4、水利用の状況(水利用の伝統を含む)、5、保全活動(保全活動の内容・効果を重視)、6、その他の特徴・PRポイント(故事来歴や希少性など)です。近隣では、昭和の名水百選に白馬村の姫川源流湧水や安曇野市の安曇野わさび田湧水群があります。平成の名水百選には、松本市の松本城下町湧水群があります。大町市は、長野県の代表の湧水として居谷里一番水があります。来年度は年号が変わるので、また新たな名水百選に居谷里一番水が選ばれると強く願いますが、居谷里一番水が名水に選ばれる可能性があるのか、足りない点は何かあるのかお伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) ただいまの御質問にお答えいたします。 居谷里につきましては、平成の名水百選の選考の際、大町市から推薦書を提出しております。その当時の選考手順としましては、各市町村の推薦を受け、これを県で審査し候補を数件まで絞り込み、国に推薦したと聞いております。県における選考基準は内容を承知してはおりませんが、国における選考では、地域の生活に溶け込んでいる清澄な水や、水環境の中で特に地域住民等による主体的かつ持続的な水環境の保全活動が行われているものとされております。こうした要件を踏まえた審査において、他の候補地に及ばなかったのではないかと考えております。また、居谷里水源におきましては、過去に有機塩素系化合物によります汚染が問題となったこともあり、選考当時、そういった点もマイナスに働いたのではないかと推測しております。平成の名水百選では選定に漏れましたが、新たな名水百選が選定される際には、居谷里一番水も大町市の推薦候補として考えてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 保全活動というのは、なかなか継続的にやるということは難しいと思います。やはり何かイベントだとか目的を持って人をまず集め、そこから何をしていかなければいけないのか考え、ぜひとも活動が続く持続可能になるような活動になればいいと思っています。 水といえば、大町の水道水の水は冷たくておいしいとよく聞きます。おいしい水はどのような水かと調べますと、おいしい水研究会が示したおいしい水の水質要件というものは、水質項目として蒸発残留物が30から200ミリグラム/リットル、硬度が10から100ミリグラム/リットル、遊離炭酸が3から30ミリグラム/リットル、過マンガン酸カリウム消費量が数値的に3ミリグラム/リットル以下、臭気強度が3以下、残留塩素が0.4ミリグラム/リットル以下、水温が最高20度以下となっています。こういった数値が大町市に当てはまるのか知りたいところですが、インターネットで調べると、東京水道局では水道の水質要件や水温と気温の平均と最高・最低値が載っています。こういった情報を常に見ているわけではありませんが、自分のまちのことを知るには必要な情報ではないかと思います。 ブランド化していくには、まず地元の水に対する意識を高め、市民が自分の家庭で使われている水道の水がどのような水か具体的に知ることで、いろいろなところに広まっていくと考えます。分析の結果や観測結果を公表していくことが市民の関心を高めるきっかけをつくり、市民全体の知識が深まるようになるのではないかと考えます。こういったサービスは大町でもできるのかお伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。建設水道部長。 ◎建設水道部長(川上武君) ただいまの御質問にお答えいたします。 議員御指摘のおいしい水研究会では、昭和60年の提言におきまして、おいしい水の水質要件として、水質項目とその基準値が示されております。これは、水道法第4条に基づく水質基準項目をもとに、味やにおいに関する7項目を数値的に示し、おいしい水道水の要件として定義したものでございます。 市の水道水については、自然に湧き出る湧水を原水としており、最低限の塩素消毒で供給をしております。遊離炭酸は含まれませんが、ほかのおいしい水の要件とされる項目は下限値に位置をしており、純粋に近く適度なミネラルを含む質の高いものと評価をされ、矢沢水源については、飲料水製造メーカーに原水を供給しております。また、上白沢水源の原水をボトリングした信濃大町湧水は、本年4月にモンドセレクションにおいて最高位である最高金賞を受賞したところであります。 なお、水質検査結果の公表につきましては、水道法施行規則に基づき水質検査計画を策定し、水道水の水質が水質基準に適合し、安全であることが確認できるよう検査を行い、検査結果をホームページに掲載しております。 大町の水をブランドとして確立していくには、水道水の安全性のみならず、なぜおいしいのか、どのような利用により魅力を引き出せるのかなどについて、ここ大町にしかない水の情報を提供できますよう、さらに水ブランド戦略の中で地域での定着と展開へつなげられますよう、おいしい水道水の情報発信に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) いろいろ情報を出しているということですけれども、東京の水道局とかだと市民からの質問、Q&Aみたいな形で簡単に示しています。簡単に見られるような情報の開示が必要ではないかと考えております。そういった意味で、行政は縦割り行政になっていて、ブランド担当課と水道課との横のつながりというものがあれば、もう少しインターネットの書き込み等で市民からの要望に応え、そういった表示の簡略化ができて、市民も楽しく見られるものをつくっていただきたいと思っております。市民に大町の水が誇りが持てるような、そういった知識が得られような取り組みを期待します。 水の資源といいますと、地下水もその一つです。今度、常盤の西山にサントリー天然水のサントリー食品インターナショナル株式会社が来ます。大町市にはAW・ウオーターとアルプスウオーターと、水工場が3社になります。地下水は市民共有の財産でもあり、公水でもあると考えます。 安曇野市では、地下水の渇水によりワサビ栽培量が激減しました。原因は降水量の減少や地下水形成に寄与する水田の減少、工場などの用水量増加などが要因とされています。そこで、安曇野市では、地域全体で取り組む意識を共有し、予防対策型の計画とし、水資源を将来にわたって有効に活用するための保全強化策として安曇野市水循環基本計画を立てています。また、熊本県では、阿蘇外輪からしみ込んだ地下水が熊本市まで約20年の歳月をかけて磨かれながら流れていき、その間、ミネラル分や炭酸がバランスよく溶け込み、おいしくまろやか天然水が蛇口をひねればあふれ出すというすばらしい地下水の恩恵に恵まれている地形がありますが、近年、地下水の水量と水質の両面で課題が顕在化し、都市化の進展により水の浸透しにくい非涵養域の面積が昭和40年ごろは全体の9%程度であったが、平成18年には約22.2%に拡大し、これに加え、米の消費量が減ったため、全国的な生産調整により水田転作がなされ、地下水の主要な涵養源である水田における米の作付が減少し、これらが要因となって地下水の涵養量が減少し、地下水の水量の減少につながり、地下水を守る取り組みにつながっていきました。また、熊本は悲惨な公害の経験から、水環境に対する関心が極めて高かったそうです。 こういったことから、安曇野市、熊本市は、水田涵養と地下水系の地下水の見える化に取り組んでいます。熊本市では、地下水位情報で地下水位が表示観測して、インターネットで誰でも見られるようになっています。こういった先進事例を見ますと、今後、大町市の地下水源や湧水の流量等の変化等の記録等を残していくということは、次世代への問題解決の手がかりになると考えられます。大町市も、このような取り組みを参考に湧水の量の計測や地下水の見える化にするためのデータを蓄積する考えはあるのかお伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) ただいまの御質問にお答えいたします。 地下水の調査につきましては、当市も参画しておりますアルプス地域地下水保全対策協議会が、平成27年度に県の地域初元気づくり支援金事業の採択を受け、大町市から塩尻市までの地域内にある80カ所の井戸について、8月の豊水期と2月の渇水期に地下水の一斉測水を実施いたしました。この調査で得られた結果と平成6年度に実施した地下水位測定の結果を比較しましたが、地下水位に大きな変化はありませんでした。しかしながら、地域の共有財産でもあります地下水を保全するため、地下水位と水質の監視を継続的に実施することが必要であるとの認識から、当市におきましては、28年4月より地下水位の常時監視を実施し、データの蓄積を行っております。また、協議会におきましても、32年度を目途に県の地域初元気づくり支援金事業等を活用して、同様の調査を実施することを検討しております。 なお、議員御提案の湧水量の計測につきましては、水道水源にかかわる湧水の取水量、流量は、市上下水道課において計測しておりますが、他の湧水の計測については状況を把握してはおりません。現在、地下水位の常時監視を実施しておりますことから、水道水源を除く湧水量を計測することにつきましては考えておりませんが、県内19市の状況を確認しながら関係課と連携し研究をしてまいります。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) ぜひとも記録を残すということが、次の世代へつなげる責務だと思います。記録がなるべくとれるような対策をお願いしたいと思います。それには、やはり地域資源を守るということになると思いますけれども、地域資源を守るにはお金が必要となってきます。山梨県ではミネラルウオーター税というものが、未解決ではありますが案として上げられています。サントリーは、山梨県や熊本県にも工場を有していますので、さまざまないろいろな対策について経験豊富だと思いますが、まずは市がどのように資源を守っていくことを示すことが大切だと思います。 参考ですが、地下水税というのがあります。「熊本地域における新たな地下水政策--地下水保全の政策法務」熊本県立大学という参考資料にありましたが、地下水は、①地下水保全対策に必要となる経費の負担をその対策の実施に伴って享受する受益に応じて配分する財源調達手段、②現在世代が地下水による恩恵を持続可能な形で享受し、将来世代に継承するために過度の水利用を抑制する。まとめると、地下水税とは、地下水資源とそれを利用する人間との共生のルールを確立することを目的とするものであり、税体系全体に不可欠の要素として位置づけられるべき性格を持った重要な環境管理システムの一環と考えられるとあります。地域資源をそのままにしておけば経費はかかりませんが、資源の価値は低くなります。守るとなると、やはり計測など費用経費がかかります。守るとすれば、今後大町資源を守るための経費等はどのように考えますか、お伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) 地域資源を守るための経費についてのお尋ねでございます。 地下水の水位や水質の測定に係る費用につきましては、現在一般財源を充てておりますが、先ほど御答弁申し上げましたさまざまな調査、アンケートの結果によりますと、当市の地下水の状況は良好であり、持続的な利用が可能であると考えておりますことから、当面の間は地下水を利用する事業者等から特別に税や協力金などの負担を求めるのではなく、地下水の揚水量及び地下水位のデータなどを提供いただき、地域資源の保全に努めてまいります。 また、水循環基本法において、水は国民共有の貴重な財産であり、公共性の高いものとして位置づけられており、今後地表水における水利権と同様に、国による管理が行われる可能性も想定されますことに加え、仮に税の対象とするには、当市単独ではなく、少なくとも松本盆地にあります自治体が広範に足並みをそろえて取り組む必要があるのではないかと考えております。そのため、北アルプス地域地下水保全対策協議会の活動を通じまして、近隣市町村の動向も注視してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 松本盆地で広く取り組むということですが、何かあってから事をやるということは、それまで、そこからいろいろ調べるというのは非常にお金がかかるということでした。熊本県の例でも、地下水の水位が下がってきたり、それからいろいろな取り組みを考えたりすると、非常にお金がかかるということでした。やはりそれまでにしっかり自分たちの資源というものを計測して、データとして見える化にしておけば、どのようなことで変化したかということがわかると思います。地下水については、森林の整備や保全を行う事業や観測井戸の設置による地下水の監視を行う事業などに協力金をという形をとっているところがあります。今は安全だから、今は良好であるということですが、良好であるがゆえに、しっかり資源を守ってもらいたいと願います。 市民が地域資源に対して意識の高まる持続可能なまちづくりに向かうと考えます。その意識を高めるために、違った視点からSDGsの活用はできないかと考えます。SDGsとは、貧困や格差をなくし、世界のさまざまな問題解決に取り組む持続可能な世界を実現するための17のゴール、169のターゲットから構成され、世界が一丸となって取り組む共通の目標であります。また、地球上の誰一人として取り残さないと誓っております。幾つもテーマはありますが、今回は地域資源の水という視点からSDGsの考えを取り入れられないか、水をテーマにSDGsの活用はできないのかお伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部長。 ◎総務部長(市河千春君) ただいまの地域資源の保全に向け、水をテーマとしてSDGsを活用できないかとのお尋ねにお答えを申し上げます。 まず、SDGsとは、2015年9月に国連において採択されました持続可能な開発のための2030年アジェンダに盛り込まれた、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「全ての人に健康と福祉を」など17項目から成る国際目標でございます。誰一人取り残さない持続可能な社会をつくるため、世界共通の物差しとして、経済的な利潤の追求、貧困や差別などの根絶、地球環境の保全などの経済・社会・環境の3側面の向上を目指し、さまざまな主体により行動していくことが求められているものでございます。 我が国におきましては、本年6月に閣議決定されましたまち・ひと・しごと創生基本方針2018におきまして、地方創生を進化させていくためには、中長期を見通した持続的なまちづくりに取り組むことが重要であり、そのため、平成42年を期限といたします持続可能な開発目標の達成のための取り組みを推進することとし、SDGsの中心をなす経済・社会・環境を統合して向上を図る要素を最大限に反映するとされており、地方自治体においても、地方の魅力や強みを生かしつつ、SDGsの推進を図っていくものと位置づけをされているところでございます。 当市におきましては、昨年3月に第5次総合計画前期基本計画を策定しておりますが、このSDGsを意識した表記、位置づけ等は特にしてはございませんが、水を含め、環境整備といたしまして、まちづくりのテーマの一つに「豊かな自然を守り、快適に生活できるまち」を掲げており、特に貴重な財源である良質な水を適切に保全していくこととしております。議員御指摘のとおり、行政だけが環境保全に取り組むのではなく、機会を捉えてさまざまなイベントにより意識の啓発や学習の機会を設けるなど、市民の皆様とともに大切な自然を守っていく必要があります。そして、それらの活動を地道に行っていくことが、将来的にはSDGsに掲げるゴールへ近づくものと考えております。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) SDGsを活用していくには、電通の調査にもありましたが、まだ認知度が低い状態です。まずは、市民に理解してもらう活動が必要と思いますが、実際にどんな活用かといいますと、水は下に流れていきます。上流にいる責務があると思います。下流に流すには上流の水をしっかり責任持って流す必要があると思います。そういった活動により、持続可能な地域社会ができていくと思います。ぜひとも、そういった考えを持って、いろいろな視点に立って、持続可能にしていくにはどうしたらよいのかという考える機会になればいいと思っています。今後、SDGsの、市民にどのように活動が必要と考えますか、お伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。総務部長。 ◎総務部長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えを申し上げます。 SDGsの認知度につきましては、議員御指摘のとおり、電通が実施いたしましたアンケート結果におきましても、まだまだ認知度は低く、当市におきましても、一般的にほとんど知られていないのが状況だというふうに考えております。まずは、この取り組みを認知度を高めて、皆さんに周知していくということが、まずは自治体として必要だと考えております。これからは、現在35%の自治体が取り組みを推進し、そしてまた、検討しているにとどまる状況にあるという調査結果もございます。こうしたことからも、改めて当市を含めて幅広い周知等が必要な全国的な状況にあるというふうに考えております。今後、啓発、周知等により、周知が広げていく必要がありますことから、自治体のみの取り組みにとどまらずに、民間の皆さんにおいても理解が広がった場合には、積極的に御協力いただける企業や団体の技術や資金が社会的な課題に対して効果的に役立てられるものとなっていくと認識しております。そういったことから、民間の皆さんによる新たなSDGsに向けた価値の創造や事業に広がっていくことが期待されるところであります。そして、市民社会においては、SDGsを通じて共通認識が生まれることで、環境保全のみではなく、経済・社会・環境にそれぞれの分野に相乗効果が生まれ、地方創生に掲げる人口減少と地域経済の縮小の克服や、まち・ひと・しごとの創生と、好循環の確立へ結びついていくものと考えております。 このことから、本年9月定例会の一般質問における太田議員の質問にもお答えをいたしましたとおり、今後もさらに各施策との関連性等を含めまして、幅広く国連で採択されましたSDGsの趣旨の周知徹底を図ってまいります。 以上であります。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) ぜひとも持続可能にしていくために、視点を変えた見方によっていろいろなヒントが出てくると思いますので、ぜひとも広めていってもらいたいと思います。 次の質問にいきたいと思います。住宅の耐震診断・耐震改修補助金についてお伺いします。 住宅の耐震診断・耐震改修補助金は、平成30年度より補助金を最大8割、上限100万円引き上げられました。自治体の補助は直接給付されるのが本来の姿でありますが、費用を全額事業者に払った後に給付費を支給する方法(償還払い方式)が基本ですが、償還払い方式では申請者の初期負担が大きくなります。 そこで、申請者が改修にかかった費用を業者に支払う際に、かかった費用から補助金額を差し引いた残額を業者に支払い、補助金は行政から直接業者に支払う代理受領制度を設ければ、申請者が改修にかかった費用の全額を業者に支払う必要がなくなり、申請者の初期費用の負担を軽くすることができます。今後、耐震改修は費用が多くかかる可能性もあるので、代理受領制度の活用は他市の事例では1割か2割程度の件数ですがあります。年金暮らしや貯金に余裕の少ない方などには、初期費用を軽くすることができれば非常に助かります。代理受領制度の導入について検討してはと考えます。そこで、市民により活用されるために代理受領制度の導入はできないのかお伺いします。 ○議長(勝野富男君) 答弁を求めます。建設水道部長。     〔建設水道部長(川上 武君)登壇〕 ◎建設水道部長(川上武君) 耐震改修促進事業の代理受領制度の導入ができないかとの御質問にお答えいたします。 市では、既存の建築物の耐震性能の向上を図ることを目的として、本年度より国が創設した新たな耐震改修補助制度を導入したところであります。内容としましては、従前の制度では対象事業費に対し補助率50%、上限100万円として補助しておりましたが、新たな補助制度では、対象事業費125万円までは補助率が80%で、対象事業費125万円を超えた場合は上限100万円までの手厚い助成が可能となりました。その結果、例年2件程度にとどまっておりました改修件数が本年度は5件実施しております。 また、耐震診断につきましては、住宅所有者に対する耐震化促進の取り組みとして、耐震改修促進事業を紹介するパンフレットを固定資産税の納税通知書に同封してお送りしたところです。直接文書を送付した効果もあり、例年10件程度の耐震診断の受診件数が本年度は20件程度実施できる見込みとなっております。 議員御提案の代理受領制度は、市が交付する補助金を申請者にかわり工事を施工した請負業者が直接受け取ることができる制度でございます。これまでは申請者が請負業者に工事費を支払い、事業が完了したことを確認した後、市から申請者に補助金をお支払いしておりました。この制度を利用すると、申請者は工事費用と補助金額の差額分を用意すればよいことになり、当初の費用負担が軽減されます。代理受領制度の状況について調査しましたところ、県内の市では、この制度を取り入れているところはございませんが、県外では実施している自治体があることがわかりました。代理受領制度は、申請者の負担を軽減することができますが、補助制度の趣旨は、補助を受ける対象者がみずから受領し、事業を完結することを前提として手続が定められており、必要に応じ、国・県とも相談の上、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(勝野富男君) 再質問はありませんか。栗林学議員。 ◆4番(栗林学君) 再質問ではないんですけれども、できるだけ負担が少なくなるような仕組みを考えていただきたいと思います。 これで一般質問を終わります。 ○議長(勝野富男君) 以上をもちまして栗林学議員の質問は終了いたしました。 以上をもちまして、本日の日程は全て終了いたしました。 本日は、これをもって散会といたします。 大変御苦労さまでした。 △散会 午後4時23分...